「じゃ、そろそろ投げる?」
稲葉が手に取ったのは輪投げだった。
「貸して」
六実に手渡される。プラスチック製のそれは原色使いの子供のおもちゃである。六実はぐるぐる回る健一のおちんちんに向けて輪を放った。
「入れ!」
回転するグローブジャングルに磔にされた健一。弧を描いて輪っかは健一のおちんちんにすぽっと嵌った。勃起したおちんちんに見事に引っ掛かる。
「あははっ」
「わはっ! 入った入った!」
「きれいに入ったね」
周りの小学生たちからも笑いが起こる。
「う、くそ…」
六実がその後2回連続で投げて2回ともすぽんっと嵌った。拍手が起こる。3つの輪が健一のおちんちんに引っかかっていた。女子たちにおもちゃにされている。悔しかった。このまま遊ばれたくなければ勃起を収めればいいだけの筈だ。それなのに健一のおちんちんは小さくならなかった。
「あたしもやる! ほれっ」
長田が輪を持って放った。ぐるぐる回る健一のおちんちんに向かって輪っかが放物線を描く。輪っかはおちんちんの先っちょにコツンと当たって落下した。
「惜しいっ」
もう一回と長田が輪を放る。今度は強めにやり過ぎたのか輪っかがフリスビーのように飛んで金玉に当ってしまった。
「うぎぁ!」
どんなに痛くて暴れても手足を縛られて身動きが取れない。健一は痛みに耐えた。
「いぃぃっ…」
「くそー、も一回!」
長田は再び放った。輪っかが急角度で飛んでくる。それは二回目よりフリスビーらしく飛んで下から金玉に当たった。
「アガァァァ!!」
「チッ」
健一は磔にされたまま暴れた。暴れれば暴れるほどギャラリーから笑いが巻き起こった。
「今度私やる」
倉見は回転させるのを休んで、落ちた輪を拾った。そしてすぐに放った。遠心力でゆっくり回るおちんちんに向かって飛ぶ。輪っかは勢い余って健一の顔に当たった。
「いっ」
輪っかはそのまま落下しておちんちんにカラカラカランと嵌った。また笑いが起きる。
「ようし、今度こそちゃんと」
倉見が輪っかを放る。放物線を描いた。上を向いたおちんちんの先っちょにコツンと当たる。入らないかと思われたが先ほどと同じようにおちんちんでフラフープでもするかのようにカラカラカランと巻き付いて嵌った。これにはギャラリーから笑いと拍手が起こる。
「やったー」
「あはははっ」
指をさして笑われている。輪投げは続いた。六実は先程よりは満足した表情で腕組みをしながら見つめている。
「ううっ…」
健一の勃起したおちんちんに輪っかが積み重なっていく。情けない絵面だった。
どうすることもできなかった。勃起を収めればこの狂態が続くことはない筈なのにいつまでも勃起は収まってくれない。このまま彼女たちに遊ばれて、飽きられるまで待つしかない。いつになれば解放してくれるのだろう。
ただ笑い声が辺りにこだまするのを聞いていることしかできなかった。