ガチャ
突然のことに俺は固まった。いや、それは一瞬のことで、すぐに勢いよく股間の辺りに掛け布団を被せた。巧く隠せただろうか…。その望みは薄かった。見られたに違いない。
部屋の入口には一つ上の姉が立っていた。
「おーおーおー…いっちょ前に…」
初めは驚いたふうだった姉だが、やがてフンッと鼻息を漏らして部屋に入ってくる。
「お前出てけよっ。何で入ってくんだ!」
「りんご持ってきてあげたんじゃん」
確かに姉の手には剥かれたりんごが皿に盛られていた。
「いきなり開けんなバカ! ノックぐらいしろってっ」
姉はローテーブルの上に置いて俺の寝そべっているベッドに腰掛けた。
「コラ座んなよ」
俺は身じろいだ。ベッドのなるべく端に逃げるようにして摺り寄った。Tシャツは身に着けているが下半身を隠すものは布団だけだ。
「一人でいやらしいことしてるあんたが悪いんでしょ?」
確かに鍵のかからない部屋で無警戒にオナニーなんかしている俺の方に多大な過失がある。
「続きやったら? 私に構わずさ」
「バッ… バカ!」
「手伝ってやろっか?」
「くっ…」
姉はにまぁっと笑みを浮かべる。俺の弱みを握ったと言わんばかりの顔だ。一つしか違わないくせに大人びた顔立ち。長い茶髪を後ろで結んでいる。ピッチリしたジーンズと白いブラウスを身に着けている。大きな目はしっかりと俺を捉えていた。
「食べる? 手ぇベトベトなんじゃない? りんご食べさしてあげる」
姉はそう言うと皿を持ち上げた。つま楊枝を刺してりんごを俺の口元に持ってくる。
「お、おい…」
「はい、あ~んして」
弟のオナニーの現場に遭遇していながらこの余裕っぷりは…。もちろん俺がオナニーしているところを見られたのはこれが初めてだ。こいつだって初めてのことの筈。急いで布団で隠したとはいえ俺の勃起したおちんちんも見られているだろう。俺は姉の男の遍歴なんて知らないが慣れたふうではある。もしかして男のオナニーを見るのは初めてじゃないのか?
「自分で食うって…」
姉はりんごを俺の口に押し付けてくる。俺の右手は自分の精液でベトベトだった。食べさせてもらうなんて恥ずかしいという思いから精液のついていない左手を出してつま楊枝を摘む。エッチな雑誌を捲るために左手はきれいなままなのだ。
「ったくよ…」
バッ
「ぅあっ!」
しまった…。油断した。姉がいきなり布団を勢いよく剥いだのだ。
「ぷっ」
勃起したおちんちんが顔を出す。右手はギュッと竿を握った状態だった。掛け布団をロックしていた筈の左手はつま楊枝を摘んでいたので掛け布団はあっさりと剥がされた。姉の単純な策に嵌ってしまったようだ。
「あんたビンビンじゃん? お姉ちゃんと普通の会話してるときになにおっ勃ててるのよ?」
「ち… バカっ。こら おま… く… やめろっ…」
俺はつま楊枝を摘んだまま左手で掛け布団を奪還しようと手を伸ばす。その動きに合わせて姉は布団を完全に剥いでしまった。パンツも完全に脱いだ状態なので身に着けているのはTシャツ一枚だけ。
「りんご落とさないでよっ」
つま楊枝からりんごが落ちそうだった。落としたらもったいない。俺は咄嗟にそう思った。ベトベトの右手で掛け布団を奪還しないのも汚れてしまって洗わなければならないと無意識にも思ってしまったからだ。恥ずかしさよりも貧乏性が勝ってしまう。
「くっ…」
俺の貧乏性な性格を逆手に取られたようで悔しい…。俺はりんごを咥えてつま楊枝を捨てた。右手もおちんちんを握るのをやめて、掌でおちんちんを隠すようにした。
「はえへっ」
返せと俺は立ち上がって左手を伸ばす。姉は俺が迫ってくる分だけ後退した。左手は空を掴む。
「ふんっバーカっ」
「ううっ…」
くそう… これでは埒があかない。
コメント
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殺してやりたいな、このクズ姉
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作中にいじめ・暴力的な表現があります。嫌悪感を抱かれる方はお読みになられないほうがよいでしょう。
Readme!を先にお読みください。
ウチは屈辱的なのになぜかおちんちん勃っちゃうって人だけに向けた偏屈官能小説ですよ。