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ビーチレスリングで(3)

 ふっと振動が収まった。詩織の砂の着いた素足が僕の金玉を圧迫してからどれくらい時間が経ったのだろう。僕が何度タップをし続けても詩織は試合を、いや攻撃をやめなかった。タップの意味を知らないのだ。僕が大声で「負けました!参りました!」と叫ばなかったら未だに攻撃されていたに違いない。僕は全裸で砂浜に転がって全身砂まみれになっていた。力で競り負けて海パンも剥ぎ取られ、その上ビンタされたりおちんちんをギュゥッと握られたり、挙句電気アンマで泣かされるなんて…。歳下の女子に向かって「参りました」なんて恥ずかしいセリフを言わされるなんて…。数年前では考えられないことだった。詩織に体力勝負や力で負けたことなんてなかったのに。この数年でいったい何があったんだ?
「やっと真ちゃんに勝てそーなんだけどなぁ。何か張り合いがないってゆーか。勝っても嬉しくないかもー」
 詩織は腕組みしながら堂々と足を広げて立っていた。すっぽんぽんになっておちんちんを曝け出している情けない僕を見下ろして、詰まらなそうな表情をしていた。
「前勝負したときはもっと強かった気がするんだけど? なんかガッカリだー」
「くっ… くそ… お前会わない内に、なんか武道かスポーツでもやってたんだろっ?」
 僕はサッと両手でおちんちんを隠しながら聞いてみた。
「別に… 海の家のバイトぐらいかな」
「な… 何にもやってないのに俺より急に強くなるわけねーだろ」
「えーでもこんなに簡単に勝てるなんて、真ちゃんの方こそ弱くなったんじゃないの?」
「俺だって何かやってたわけじゃないけど弱くなるわけねーって」
「じゃあワザと負けてくれたの? えっそうなのー?」
「い、いや… ちょっと油断ってーか。ハンデあったし…。お前も卑怯なことしてくから…」
 僕の声は段々とデクレシェンドしていった。
「何?聞こえないよ?」
「だから…」
「なんか男のくせにだらしないなー」
「なっ、んだと… このっ」
 僕は詩織の言動に顔を赤くして立ち上がった。
「おー。もっかいやる?」
 詩織は構えた。このままじゃ僕のプライドが許さない。詩織に参ったと言わせてやる。僕は詩織に掴みかかる。
 パァアン!!!
「ぁんごッ!?」
「へへっ」
 辺りに響き渡る気持ちのいい音と共に、突然痛みが走った。激痛だ。詩織の膝が僕のおちんちんを突き上げていたのだ。
「ご…がが… あが…」
 露出したおちんちんを思い切り蹴り上げられて、僕は飛び上がって両手で股間を押さえ、腰が引けて背中が丸くなる。そのまま砂浜に突っ伏してしまった。
「あっははっ! やった、やった!」
「い… ぎ…」
 僕は目の前が真っ暗になった気がして痛みを堪える。のた打ち回りたい。脂汗を大量にかいたと思う。強烈な痛みがしばらく続く。
 その間も詩織は手を叩いてケラケラと大笑いだ。人気のない浜辺だから彼女の笑い声が辺り一帯にに響いている気がする。女子に金蹴りされて平伏しているなんて情けなさ過ぎる。
「く、くそ…」
「また参ったって言わせてあげるよ」
 詩織は僕の背後にゆっくりと回り込んだ。そして僕の首に自分の両手を滑りこませてくる。巻き付いた詩織の手はチョークスリーパーのように締めあげてきた。
「…う…」
 何で詩織がこんな技を知っているんだ?
「…。… …」
「えへへっ」
 僕はおちんちんの痛みも忘れて絡みついた詩織の手を外そうとする。しかししっかりと極っていて情けないけどどうしようもなかった。これは…ギブアップしないとまずい。プライドがどうとか負けて恥ずかしいとか言っている場合ではない。僕は詩織の腕にペチペチとタップして負けを認めた。
 だが詩織はタップの意味をやはり知らないのか、わざとなのか、一向に緩めてくれる気配はない。
「ぁぅ… ぅぁ…」
「降参? へへ、降参?」
 やっぱりタップの意味を理解していないみたいだ。僕は頷いてみせる。しかしそれも上手く伝わらないみたい…。このままではすっぽんぽんの恥ずかしい格好で意識を失ってしまって非常に情けないことになってしまう…。
 詩織のおっぱいが背中に当たっている気がするがそれどころではなかった。
「じゃ、そろそろ決着ね」
 詩織は手を緩めて僕の正面に回った。解放されて助かったと思ったが詩織はまだ何かしてくる気だろう。僕は息を整えるだけで体勢を立て直すことはできなかった。
「へへへ~」
 詩織に力任せに押し倒されて僕はゴロンと後ろに転がる。そして両足を掴んできた。また電気アンマしてくる気か!? 僕は抵抗しようと足をばたつかせたり閉じたりした。しかしあっさりと両足を広げられておちんちんとお尻の穴まで全開させられてしまった。
「わあっやめろー!」
「どうだー。恥ずかしい?」
 おちんちんを手で隠す間もなく、詩織は僕の両足を押し倒してくる。ちんぐり返しという奴だ。
「あー!ちょっとっ」
「あははっ」
 女の子が男を受け入れている時のような格好になった。まるで詩織に襲われているみたいだった。
「くそっ…」
 詩織はちんぐり返しされた僕の太ももの上に跨る形でドカッと座った。そして両腕を掴まれそのまま砂浜に押し付けられた。涙と鼻水でくちゃくちゃになった顔を詩織に覗きこまれる格好となり、めちゃくちゃ恥ずかしかった。
「くっ」
「ぷっ。情けない顔ー」
 僕は顔を背けるが詩織の眩しい笑顔が僕の表情を追ってくる。
 両腕を地面に押し付けられている。身動きが取れない。女の子が男に押し倒されて襲われるとよくこんな体勢になることが多いのだろう。女の子が抵抗できずに襲われている絵面が浮かんだ。僕は今、自分より力が弱いと思っていた女の子に両腕を抑えられてしまっている。何故か抵抗できない。
「へへー。い~ちー、にーぃ」
 何を言っているのかと思ったらそれはカウントだった。まだ第二試合目なのだ。僕はまた負けを覚悟した。
「真ちゃん、どうして私が強いか教えてあげようか?」
「…」
 僕はちらりと詩織を上目使いに見上げる。
「海の家の店長さんねー。格好いい男の人だったでしょー?」
 確かにイケメンのガタイの良い若い男性がいた。ライフセーバーもやっているという、いかにも海の男という感じの人だ。
「その人にねー。いろいろ護身術とか技とか教えてもらったんだー」
「…」
「すごいでしょー?」
 詩織は少しは僕に気があると思っていた。だけど詩織はきっとその店長のことが好きなんだろうな。僕は詩織だけではなくその男にも負けた気持ちになった。屈辱以外の何ものでもない。
「真ちゃん早く抵抗しないと3カウントなっちゃうよ!? 女の子に負けちゃうよ!?」
 詩織は心底楽しそうだ。僕は一応抵抗する。詩織が3カウントを言うまでに脱出…恥ずかしい格好でガッチリ固められて、できそうになかった。
「じゃ抵抗できないみたいだから、さぁん!!」
 肩が地面について3カウント。本当は30カウントぐらいいっているかも知れない。
「やったー!」
 詩織は僕に馬乗りする格好でバンザイをした。
「女の子に抑えつけられて抵抗できずに3カウントなんてっ。ぷぷっホントに真ちゃん弱くなったんじゃないの? 完全に私の勝ちだねー」
「…」
「ひょっとして私以外の女の子でも負けちゃうんじゃないの~?」
 いたずらっぽく笑われる。
 まさかこんな結末になるとは。詩織に負けた。おちんちんの痛みよりも意識を飛ばされそうになったことよりも精神的な痛みの方が大きかった。
 僕はボロボロと涙を流していた。悔しい。悔しい…。海パンを拾いに行くのも忘れて涙を拭う。
「え? 泣いちゃった? うそぉ? ごめんねー」
 詩織は立ち上がって僕を見下ろす。
「きゃっ。やだっ」
 何故か急にのけぞるようにして飛び退いた。
「うぅぅくそ…!」
 僕は全裸で浜辺に寝そべり腕で顔を多いながら涙を流す。おちんちんを隠すこともせずにだ。いっこ下の妹のように思っていた幼馴染の女の子に完膚なきまでに負けてしまった。力のない女子だと思って偉そうに兄貴ぶって上から目線で不利なハンデを付けてしまったことが裏目にでてしまった。
「いやだ、真ちゃん。おちんちんがっ!」
 僕は詩織の言葉に我に返る。
「やだー!もう!」
 僕はハッと股間に目をやるとおちんちんは見事に勃起していた。え…。僕は激しく混乱する。何故だ? 何故こんな状況で勃起なんてするんだ!?
 詩織は目を逸らして顔を赤くしている。勃起に気づく前は平気で見まくっていたくせに…。かくいう僕も詩織以上に顔が真っ赤になって上気していた。両手でおちんちんを隠す。
「いや…違うんだ。これは!」
 詩織は僕の海パンを拾いに行って僕の前にぶら下げる。
「早く履きなよ…」
「…うん…」
 なんとも情けない屈辱的な夕暮れだった。
〈終〉

コメント

  1. たく より:

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    女の子に力で負けて強制的に脱がされるのは良いですね。
    女の子が脱がした後もそこまで気にせず無邪気な感じなのも興奮しました。

  2. 名無しさん より:

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    やな女だな
    素人相手に武術使うなよ

  3. 名無しさん より:

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    というか金的の時点で力なんか出せっこないし

  4. 山田厨房 より:

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    > というか金的の時点で力なんか出せっこないし
    そうですね。

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