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秘密の部活動で(6)

「ひぃあっはっはっ!!」
 深藍がバカ笑いしている。何がおもしろいのか紗季には解らなかった。話しに聞く限り悲惨な話にしか聞こえない。
「そりゃひでーなー。見たかったなっ。ふひひっ…」
「それからどうなったかは知らないけど、職員室でちんこ丸出しのまま2時間以上説教されたって話しらしい」
「うわっホント?」
 深藍は嬉しそうだ。愛衣乃と麻理璃が教室で見たという話は、紗季にはちょっと信じられなかった。隣のクラスで起こったという珍事件。郁彦はいじめられているらしい。先日起きたというその話は、今までのいじめで一番酷かったそうだ。しかし酷いといえばこちらの方が酷いと思う。当の本人である郁彦は今、全裸でおちんちんを隠しもせず、部室の隅で両手を膝に置いて正座していた。ぴたりと閉じられた両膝。それによって金玉袋が押し上げられ、縮こまった小指大の竿がぴょこんと上を向いていた。おまけに赤いリボンを括りつけられていてかわいい。
「どうなの?くにちん?」
 深藍が席を立って郁彦の前まで駆け寄る。しゃがみ込んで彼の顔を覗き込んだ。郁彦はいじめの様子を思い出しているのか、今の自分の姿のせいなのか、顔が真っ赤にして俯いている。
「い、いや…その」
「ホントのこと?」
 郁彦は小さく頷いた。
「ふぅん…」
 深藍が立ち上がって振り向く。その表情はもう笑っていなかった。それどころか怒っているようでもある。コロコロとよく表情が変わる娘だなと紗季は思った。彼女と初めて話したあの日以来、紗季は強引に「科学美術総合研究会」に入ることになった。不本意ではある。しかし嫌とはいえない性格のせいで今に至っていた。彩はこの変な部活に関わりたくないときっぱり断っていたというのに。活動内容は入部してからもよく解らなかった。こんな部活がよく学校から正式に認可されているなと思う。
「どうしたん深藍?」
「うーん。ゲームしようか」
「え?」
「じゃんけんで負けたら、女子はデコピンね」
「?」
「?」
 紗季も急な提案に顔がはてなマークになる。
「男子は負けたらチンピン」
 じゃんけんで負けたら罰ゲームとしてデコピンということか。紗季はなんとなく理解した。だけどチンピンとはなんだろう?
「くにちんもこっち来て」
 深藍は相変わらず人の意見を聞かない。このおもしろくなさそうなゲームを強引に始めるみたいだ。
「いくよー、じゃーんけーんでー…」
 深藍の音頭に紗季たちは思わずホイと手を出していた。
 深藍と愛衣乃と麻理璃がチョキ。紗季もチョキを出していた。郁彦を見ると全裸でおちんちんも隠さずにパーを出している。なんだろう?この示し合わせたような偶然は。郁彦はアウッアウッと声なき声を漏らし、ガクガクと震えていた。
「相変わらずじゃんけん弱いねーくにちんっ」
「アハハッ。良かったー勝てて」
「それにしてもストレート負けって…」
「じゃ…」
 深藍が郁彦の背後に回り込み、後ろからおちんちんに結び付けられているリボンをシュッと解いた。そして彼の両手首を掴んで拘束する。後ろで手を組む格好になった郁彦は「えっ?えっ?」とみんなの顔を交互に見回した。
「バッツゲーム。負けたくにちんはみんなからチンピン一発ずつねー」
「いっ…ひゃぃゃ…だ」
 郁彦はブルブルと首を振って怯えた表情をする。嫌がっているようだ。
「負けたんだからしょうがないよ。弱いくにちんが悪いんだよ」
「それじゃ私からね」
 麻理璃が跳ね上がるように席を立って郁彦に近寄る。彼の前に膝立ちになてデコピンをする体勢を取った。右手の親指と人差し指で輪っかを作り、親指を内側へ曲げ、それを阻止するかのように人差し指が外側へ、文字通り人を差すようにぴーんと伸びようとしていた。親指と人差し指が真逆のベクトルでせめぎ合っている。拮抗した状態でそれをおちんちんの前に持っていく。縮こまった郁彦のおちんちんがふるふると震えだした。腰が引けてお尻が後ろの深藍のお腹の辺りに当たる。
「ひっ…ひぃっ…ひっ。やめて…。やだよ…」
「負けは負けだよ。しょーがないでしょ?」
 深藍が郁彦の耳元でささやくように言った。おっとりした麻理璃の表情からは想像できないくらい、指先には力がこもっていた。今にも彼女の人差し指は親指というタガを外して解放されようとしている。
「いー…くーよーっ」
 麻理璃の声がクレッシェンドで上がっていく。
「…っえいっっっ!!」
「ひ」
 パチン!!
 おちんちんが弾かれた。
 竿の部分に、上から打ち下ろすようにして人差し指が射出された。弾かれた竿は吹っ飛ばされて玉袋にめり込むようにして当たり、バウンドした。
「い…ぎゃっぁぁ…」
 郁彦の悲痛な声が部室内に響いた。痛そうだ。紗季は即座に赤くなっていくおちんちんを見ながらそう思った。
「あはっ手応えあった」
「きれいに決まったな。次は私だ」
 愛衣乃が前に出る。麻理璃と入れ替わりしゃがみ込む。
 むくり…
 あれ…? 紗季はおちんちんの変化を捉えた。先程より大きくなったように見える。錯覚だろうか。
 愛衣乃が中指と親指で輪っかを作る。彼女は身長が高い。それに比例して指も長い。麻理璃の輪っかより一回り大きな輪っかができた。そして麻理璃と同じように力を溜めた。ぐぐぐっと今にも彼女の指が高速できれいに伸びきりそうだ。紗季は目を見張った。ほんの少し輪っかが大きい分、先程よりほんの少し威力が上がるのではと期待できた。紗季はいつの間にか身を乗り出しておちんちんを覗き込んでいた。
 むくり…
 おちんちんが膨張している。見間違いじゃない。早回し記録映像で植物が僅かの時間に蕾から開花するように、おちんちんがむくむくと首を上げた。半勃ち状態だ。被っていた皮の隙間からピンク色の亀頭が僅かに顔を見せた。ちらりと外の世界を覗き、外の世界はどうなっているんだろうという純粋な表情でこちらを見る。
 それを無情に一瞬にして刈り取るかの如く、愛衣乃の指が伸びた。下からアッパーを喰らわすようにして射出される。
 パチィンッ!!
「うぎぃっ!?」
 むくりと大きくなったおちんちんが壮絶なKOシーンでも見るかのように突き上げられ、弾かれて吹っ飛んだ。
 ストレートが来ると思って身構えるのならまだ良かっただろう。愛衣乃は掛け声もなしにいつ放たれるか解らない状態であったために郁彦の恐怖も増幅されたに違いない。
 おちんちんが宙を舞ってガクンガクンと揺れ動く。尿道の辺りに強烈な一撃を喰らってもう立ち上がれない様子だった。
「ふんっ」
 愛衣乃が鼻で笑って立ち上がる。あまり表情を顔に出さない娘だが、愉しんではいるようだ。
 むくむくり…
 紗季は目を見張った。なんとおちんちんが立ち上がろうとしている。あれだけの強烈なKOパンチに耐えてまだ戦おうというのか? 紗季が変な想像を膨らませている間に郁彦のおちんちんは完全に膨らみきっていた。立派に上を向いて健気に勃ち向かおうとしていた。しかし郁彦はヘタレにも顔を歪ませてへっぴり腰になり情けなく怯えている。男ならもっと痛みに耐えてやせ我慢でも堂々としていればいいじゃないかと紗季は思った。男の子の癖に情けない、もっと自分の息子を見習うべきだ!

コメント

  1. ちひろん より:

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    細かい所ですがいくつかの小説で男の子があそこだけではなくお尻を見られることにも羞恥を感じてる描写があるところが好きです。
    特に思春期はお尻も充分恥ずかしいですよね。

  2. 山田厨房 より:

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    お目が高い。
    そうなんです。生尻は恥ずかしいものなんです。
    下着でも形がくっきりするんで恥ずかしいですね。
    思春期の頃はプールとか体育とか憂鬱だった。

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