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一年戦争で(14)

 僕が戦死したというニュースは瞬く間にみんなのケータイに配信された。
 この事件をきっかけに戦局は大きく変化する。
 いや、男子が気付かない内に既に変化は起きていたといった方が正しい。
 ピーチ派が居なくなって以降、実は女子軍は分裂状態にあったのだ。
 それは頭を潰せば女子軍は勝手に壊滅の道を辿るだろうという、タカが読んでいた通りの展開になっただけではある。
 新リーダーになったイチジクは平和主義に拍車がかかり、これに異を唱えるリンゴ派という構図らしい。
 勝手に休戦協定を結んだイチジクにリンゴ派は怒っていて反旗を翻し女子軍を離れていた。
 これはすべて夏休み中のできごとだ。細かく何があったのかは知らないが、そこで女子同士の激しい戦いがあったらしい。
 イチジクに付き従う配下はほどんどおらず、戦力として見れるのはパインぐらいだね。そのパインも相変わらず一人で勝手に行動しているみたいだけど。
 あとは隣のクラスや下級生たち数人が正式メンバーとして加入したようだ。僕が体育館で処刑されそうになったときに居た連中だろう。
 一方、リンゴ派はザクロとバレー部の後輩バナナとチェリーをメンバーに加えたようだ。
 平和主義で戦力のほとんどないイチジク女子軍がなんでこんなにリンゴ女子軍に対抗できるのだろうか。平和主義と言いつつ何か“核”を隠し持っているんじゃないか。
 2学期が始まってすぐ、イーグル派が集まり、教室の隅で緊急会議が開かれる。速攻で女子軍を殲滅させようという話になったようだ。
 ちなみに戦死した僕は影から見守るしかできないんだ。
「か、鍵を手に入れて来たでやんす!」
「声が大きいぞテメー」
 ドラゴンは白鳩の胸ぐらをつかむ。「よこせ」といって白鳩から鍵を奪い取った。
「でかしたぞ白鳩」
 イーグルがニヤリと口元をあげた。
「次の体育の時間が待ち遠しいなぁ」
 タカが人差し指でメガネをくぃくぃと上げ下げする。
「女子同士でいがみ合ってる場合じゃないのにねっ。くくくっ」
 バードは嬉しそうにイスをガッタンガッタンと揺らした。
 タカの立案した作戦はイチジク女子軍・リンゴ女子軍と面倒くさく分裂した女子軍を一挙に葬るものだった。
「一網打尽ってやつさ」
 体育の時間前の放課、着替え中にソコへ踏み込んでやるというのだ。内側から鍵をかけられた教室に、職員室から黙って盗ってきた鍵を使って踏み込むんだ。
 体育は他クラスと合同だから下級生女子以外はこれで葬ることができるぞ。
 強襲チームは僕とファルコン以外のイーグル派+白鳩だ。早着替えをした強襲チームは隣の教室へ向かう。
 そして、時は満ちる。
「ウォラー!!」
 ガララッ バァン!
 鍵を開けた途端に、まずは白鳩が放り込まれ、ドラゴンが続いて教室に入る。
「きゃー!!」
 一斉に女子たちの悲鳴が上がる。着替え中に踏み込まれた女子の悲鳴に歓喜する強襲チームだが、すぐに様子がおかしいと気づいた。
 女子たちは既に着替え終わっていたのだ。ブルマ姿の女子たちがウソ悲鳴をやめてニヤリとほくそ笑んだ。
「な!?」
「んだと!?」
「うそん!?」
 カシャッ
 パシャッ
 チロリロリーンッ
 カメラを構えて侵入した男子たちだが、カメラを構えて待っていた女史たちに虚を突かれた。
 女子の着替えを堂々と覗きにきた現行犯たちとして証拠写真を撮られ、ヒナ先生に通報されてしまうという結果に終わる。
「くそっ! なんでアイツら知ってたんだ!?」
「決まってる。僕たちの中にユダ(裏切り者)が居るんだ!」
 ドラゴンとタカが声を荒げる。
 強襲チームはすぐに逃げ出したがしっかりと写真を撮られた白鳩、ドラゴンは職員室に呼ばれることになるだろう。最初に放り込まれ、一番逃げ足の遅かった白鳩は確実に吊るしあげられるよ。
 隣の教室に逃げ帰るも顔は割れているんだ。逃げ場所なんかなかった。
「チッ何考えてんだ。先生たちに知られたら何もかも終わっちまうってのに…」
 いかにイーグルでも今回の事態の収拾は付けられなかった。
「こりゃー! お前らー!」
 そしてヒナ先生が怒りの表情を浮かべて飛んできた。
 ヒナ先生の独断で2組だけ体育の授業がキャンセルされ、体操着のまま2組の面々だけ緊急ホームルームが開かれることになった。
「先生!」
 イチジクがピーンとキレイに手を上げて発言許可を求める。
「なによっ? 委員長ちゃんっ!」
「持ち物検査をするべきだと思います」
「なんでよっ?」
「教室は内側からしっかり鍵を閉めてました」
「それがなんなのさっ?」
「ぇ… つ… つまり職員室から勝手に鍵を持ちだした人がいると思います」
「…っえ! マジでっ!?」
 ヒナ先生は男子の面々を見る。
「こりゃー! お前らっ なんばしょっと!? 先生のかわいい経歴に傷がつくじゃないの!」
 教室中が凍りついた。
「教★委員会とかPT★とか大きら★なのよ! 監督不行き届きなんて言われたくないのよ!」
「せ、先生。あの…進行を…」
「む…。そうね。委員長ちゃん、持ち物検査しよっか。早く鍵を見つけて返してこないとね!」
 ヒナ先生は急に笑顔になる。
「進行は委員長ちゃんに任せるわねっ」
「はい」
 イチジクはブルマの中にシャツを入れるというオールドスタイルで壇上に登る。
「では、緊急ホームルームを始めたいと思います。ランドセルの中身を机の上に出してください」
 イチジクの進行でみんな嫌そうに応じる。
「女子もです。念のためですから」
 この言葉にリンゴ女子軍がピリついた。潔白なのに疑われるのは気分が悪いだろうね。リンゴやレモンの目がキッと釣り上がる。みかんの頬なんか膨らんでいるよ。みかんみたいだ。
 ランドセルに続いて机の中、私服のポケットの中まで調べられることになる。
「これは身体検査をするしかないですね」
 イチジクの言葉に、教室中からさすがに反発が起こるがヒナ先生にキレられたら怖いので、みんな結局言われた通りに動くことになった。机が後ろに下げられて、みんな前の方に集まる。
「まずはイーグル君、自分で体操服を脱いでください」
「なに!?」
「のぞき実行犯のリーダー格なんでしょう? あなた。罰も兼ねてるんだから早くしなさいよ」
「て、てめぇ…」
 イーグルは苦虫を噛み潰す。この持ち物検査&身体検査で男子軍を全滅させようとする作戦だったことが明白になった。
「脱げないんですか? 女子の着替え覗こうとしてた癖に卑怯だわ。自分だけは見られない側に居るとでも思ってたんだですか?」
 ヒナ先生が処刑を許可しているのだ。さしものイーグルも学校権力に屈する。
 ガバっと上着を脱いで上半身を晒した。
「こちらに」
「チッ」
 体操服をイチジクに差し出す。
 鍵が服の裏側にテープで止められてないかと疑っているようだ。入念に調べる。
「下もですよ?」
「…」
 みんなが見守る中、イーグルは短パンを脱いでいく。するするっと落ちてグレーのボクサーブリーフが現れた。みんなが息を呑む。
 女子軍の誰も辿り着けなかったイーグルのおちんちんまであと一歩だ。
「では次、ドラゴン君」
「ぅくっ… 俺か?」
 このままパンツも下げろって言われるんだろうと思っていたが意外にもパンツ一枚のまま立たされることになる。
 ドラゴンも同じように上着を脱いで短パンを下げる。体操着を入念に調べられてイーグルの隣に並ばされた。最高戦力2人がボクサーブリーフとトランクス一枚という姿で晒された。
 ボクサーブリーフはおちんちんの形がわかりやすく出てるなー。女子の前でこれは相当に恥ずかしいよ。
 続いてタカ、バード、ファルコンと同じようにパンツ一枚にされていく。
「次、ホーク君」
「うぇ? 僕っ?」
 戦死してる僕にも容赦なしかよ? でもヒナ先生にしたらそんなことは関係ないから、ここで避難の声を上げたら戦争のことが先生にバレてしまう。
 僕も同じように上着を脱いで短パンを下ろす。何度経験しても女子の前でブリーフ一枚になるのは恥ずかしいよ。おちんちんの形もくっきりだし。しかも女子の皆さんはブルマ姿なんだよ。すらりと伸びた足、むっちりとした太もも、そんな女子に脱げと命令されておちんちんが勃たないわけがない!
 僕は知らない間にM心が目覚めていた。
 おちんちんがむくむくむくと大きくなってブリーフの前を膨らませていく。形がはっきりしていて遠目にも勃起してるってバレてるだろうな。
「あの中に鍵が入ってるんじゃないの?」
 くすくすっと小さな笑い声が聞こえたが僕もそのまま膨らみを手で抑えたまま、みんなの横に並ばされた。
 こうして戦死した僕やつぐみちゃん、ツバメやハヤブサまで次々とパンツを披露していく。戦争に無関心だったモズやカラスもお構いなしに巻き込まれ、パンツ姿を披露した。
「まだ、脱いでないのは… 白鳩君だけね。さぁ脱ぎなさい」
「は、はいぃ」
 どこに鍵を隠し持ってるんだコイツ。鍵が出てこないと終わらないんだよ。
 上着を脱いで、短パンをずらす。
 上着の裏側、ポケット、体操着が調べられる。
 しかしついに鍵は出てこなかった。
 男子たちがポーカーフェイスを装って驚く。バードは顔に出してたけど。
 そんな…。
 白鳩が鍵を持ってないとしたら、鍵はどこにあるんだ?
 まさか、本当にブリーフの中に入れてるんじゃないか、白鳩のやつ。
「あんたたち気をつけ!」
 怒気を込めたヒナ先生の命令。勃起を隠していた僕も両手は太ももの横へ持っていかざるをえない。
 こうしてパンツ一枚という屈辱の格好を体操着の女子たちの前に晒すのは敗北に等しい。
 野球の試合後の並んで挨拶するときに似ている。女子と男子が向かい合い、一方は体操着。一方はパンツ一枚。
 僕なんか勃起してるのを見られたままなんだよ。
「うぬ」
「どうしましょうか? 先生」
「出てこないのはまずい。どうしよう」
「ひょっとしたらパンツの中かもしれませんよ」
「そうかもね。でもさすがに女子の前で全裸は恥ずかしいでしょ男子」
 ヒナ先生の温情なのか男子たちはウンウンと頷く。
「それはかわいそうだもんね」
「で、でも先生っ。鍵がっ…あの…その…」
 イチジクが食い下がる。男子軍全滅まであと少しだからだろう。ヒナ先生を誘導しようと必死だ。
「男子たちもいっちょ前に年頃の男の子なんだから、年頃の女子の前ですっぽんぽんはキツイわよ〜」
「は…、はい…でも…」
 イチジクは男子を全裸にさせるための言葉を探す。
「男子〜、そろそろ鍵が出てこないと本気で先生切れちゃぞー。女子の前ですっぽんぽんになるけどいいのかなー」
 やはりヒナ先生の笑顔の奥に鬼が潜んでいた。
「先生っ」
 女子軍がほっとする。先生はやっぱり女子の味方だ。
 結局それが最後通告になった。
「鍵を隠されるかもしれないわ! 男子たちは両手を頭の後ろに!」
「女子〜鍵を出さない男子のパンツおろしちゃいなさいっ」
 ヒナ先生の号令で女子軍が一斉に襲いかかる。
 僕の前にブルマ姿のイチゴが飛んでくる。
「ぅふふっ。バカね。早く鍵出しちゃえばいいのに?」
「そんなこと言ったって…あっ!」
 躊躇なく、ブリーフがずり下げられる。イチゴの右手が勢いよく床へと向かう。勃起したおちんちんが強力なバネとなって勢いよく飛び出しずっぺーんっ!とお腹に跳ね返った。
 僕は腰が引けてしまって、ブリーフを引っ張るイチゴにバランスを崩されて、そのまま後ろにひっくり返ってしまい、足首からブリーフを取り上げられてしまった。
「ちょ返せっ」
 情けない醜態だ。両足を開いてしまってイチゴの前に勃起したおちんちんがぷらんぷらんと横揺れした。靴下も脱がされて、生まれたままの格好にされてしまう。
 得意げなイチゴの表情。
 隣でバードやチキンも容赦なく同じようにパンツを下ろされておちんちんを晒していく。
「これで戦争はおしまいよっ」
 リンゴの両手がイーグルとドラゴンのパンツを引っ掴み、引き下ろす。
 まだ一度も戦死していないイーグルやドラゴンたちも平等に脱がされいく。
 無情にもおちんちんが晒されて、足首から強引に引き抜いていく。
「ふんっ。何それ? ちっさ!」
 イーグルに向かってリンゴが吐き捨てる。体格にしては小さめの縮こまっているおちんちんをバカにされてイーグルはギリリっと歯を鳴らす。
「あんたはリーダーより大きいのね。毛もぼうぼうじゃない」
「…」
 ドラゴンは大人しくなって下を向いた。顔を赤くしている。
 こうしてファルコンもタカもモズやツバメ、ハヤブサもカラスも例外なくパンツを下ろされて取り上げれる。
「みんな調べてっ。靴下の中かもしれないわっ」
 両手は頭の後ろへと律儀に持っていったままだから、男子は全員おちんちんを丸出しにさせられて、隠すこともできず耐えるだけだ。
「なんかパンツに染みがついてる。ほらちょっと黄色いよ」
「やだっ」
「見てイーグルは左曲がりよ。他は右曲がりが多いね」
 女子たちはブリーフの裏側を調べるふりをしてチラチラと横目でおちんちんもチェックしていた。
「ホークだけなんでオッキしてるの?」
「コイツドMなんだよ」
 みかんが僕の勃起したおちんちんをしげしげと観察しながら疑問を抱いて、イチゴが解説する。
「ちょっと鍵わ!?」
「あ、あれ? 結局出てこないね」
「誰も持ってない…?」
 さすがに女子たちも訝しがる。
 男子たちは横目で白鳩を見る。白鳩は僕と同じように隆々と勃起させたおちんちんを晒していた。我慢汁まで垂らしていた。僕よりマゾ体質らしい。
 でもコイツが持ってないとしたら誰が持ってるんだ。
「お尻に隠してるのかもしれないです! 先生」
「…うーん。となると、直腸検査になるわ!おもしろそ… 仕方ないわね! いい加減カギを出しなさいよ男子! どんどん恥ずかしいことになるぞっ」
 男子たちの表情が一斉に青ざめていく。いったい誰がどこに隠し持ってるんだ!

コメント

  1. たく より:

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    まさか先生の権力で一斉に勝負が決まるなんて。
    大人の女性の強さを見せて子供が辱しめられるというのもまた良いですね。
    そしてこの後お尻の奥まで調べられるのは大事な部分を観察されるのと同じぐらい恥ずかしいでしょうね。
    鍵をもってるであろう白鳩君や強いドラゴン、リーダーのイーグル君辺りにはお仕置きとしてヒナ先生によるお尻100叩きぐらいの罰を与えて泣かせさらに大人のと子供の違いを教えてあげてください。笑

  2. 匿名 より:

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    大人が強いんであって大人の女性が強い訳じゃないですよ
    結局自分の力じゃ女子は何も出来ないから卑怯な手しか能が無いんですね

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