今回の投稿はファンティアでやってるシリーズの試し読み版を載っけます。
自伝的で妄想と願望が入り混じった感じの話になります。
FC2ブログにはこんな感じでちょいちょい試し読み版を掲載していこうと思います。
『負け続ける物語 見せっこクラブ』 試し読み版
これは僕が負け続ける物語だ。
だから救いも希望も何もない。復讐も考えていない。それなのになんで生きているのかと思われるだろう。いつか勝てるわけでもないのだから、それなら死んだほうがマシだと。確かにそうかも知れない。…まだどこかに未練や希望があったりするのかな。
だから惨めにもまだ生きているのだろう。
僕はズボンを下ろした。
「ぉお、こいつまだ真っ白ブリーフじゃねーか」
「全部だぞ。下ろすだけじゃないだろ」
「遅いぞ。全部脱げよ!」
彼らには悪意がない。これは僕が自ら望んでやっていること。
「どうだ、芳野?」
「え、なんでこんなの見せられなきゃいけないの?」
芳野優芽(よしの ゆめ)は僕のクラスで一番頭が悪いとされている女だ。僕は彼女の言葉に構わずズボンを足から引き抜き、続けて学生服のシャツを脱ぐ。ランニングシャツも脱いで白い裸体を女子の前に晒した。
おちんちんが勃起を始める。
「金がもらえるからに決まってんだろ。バイトだよ。バイト」
「それは聞いたけど… え、まさかそれも脱ぐの? え、ヤダちょっと……」
引いている。芳野は引いている。あからさまに嫌そうな表情だった。僕は顔を伏せる。ブリーフ越しに勃起し始めたおちんちんを見て、『脱衣ショー』はパンツまでではないと気づいたらしい。神谷たちにどう聞かされていたのだろうか。
「えー。そんなんだったら私帰るけど」
芳野はくるりと踵を返して暗い体育倉庫から出ていこうとした。セーラー服の裾がふわりと浮き上がって太ももがムチムチとしているのが解った。目で追っていく。もう少しで下着が見えそうなのに。僕はとても残念な気持ちになる。
「おいおい、待てって。こんな楽なバイト他にねーぞ」
「ハァ? だからってなんで宇治木の見なきゃいけないの? 宇治木が自分から言いだしたわけじゃないんでしょ。どーせ」
「駄目だ。金貰っといて帰るは通用しねーぞ」
クラブのリーダーである神谷は芳野の前に立ちはだかって出ていくのを阻止する。僕は普段は死んでしまえと思っている神谷に対して、説得しろっと願った。
女子の前で脱ぐという興奮を、他の男子が見ていたって構わないから止めたくなかったのだ。だから僕はクズなんだろう。
「5分も我慢してりゃいいんだから。ただ見てりゃいいんだ。聞けねえってんなら、どうなるかわかってんだろうな?」
「え?」
芳野が頭悪いといったって5人の男子に囲まれているんだ。力でねじ伏せられるとすぐに気づくだろう。逡巡の末に芳野は戻ってきた。
「5分コース。芳野入りまーす」
「わかった、わかった。さっさとやれば?」
怒った表情をしていた。自分の役割、呼ばれた理由が解ったからだろう。空気が振動してビリビリと怒りが伝わってくる。肩まである長い髪が暗闇と同化して妖艶に映る。腕組みをして少し顔を背け、肩幅に足を開いて。スカートが揺れてひらひらしている。
きれいだ。
「はぁはぁ…」
僕にはない、男にはない魅惑的な立ち居振る舞い。そして鈴のような声。同じ人間なのに、衣服から身体の構造まで何もかも僕と違う。激しく劣等感を煽られた。
ブリーフの端を掴む。
「ほら戻ってきたぜ。お客様」
神谷が出口の前で冷たく言い放った。嬢の準備が整ったからプレイを始めろという合図だ。
美しい彼女の前で僕は思いっきりパンツを脱いだ。
ばぃんっと勃起した肉棒が飛び出して激しく横揺れする。
「コイツいつにも増して激しいんじゃね?」
「ぐひゃひゃっ。見てやれって。芳野ー」
暗闇の中から雑魚男子の声が飛んでくる。
「お前が見てやんなきゃ成立しねーだろ? 正面向けよ。どういう状況かわかってんだろよ」
いつの間にかスマホの懐中電灯機能で僕の股間が照らされていた。男子たちが持っているスマホで照らしているのだ。その内の一つが僕の顔に当たる。逆光で眩しかった。芳野の表情が見れなくなる。
「ぅ…」
芳野が命令されて正面を向いたのだろう。ドン引きして嫌悪感のある短い「ぅ」だった。