全裸キャンプで(6)
それは官能的でいやらしい動きだった。 遭難という極限の状況で何をやっているのだろうという気になってくる。エッチなことをしてる場合じゃない。僕たちは子どもで性教育の授業もまだちゃんと受けていないのだ。 僕は大人の階段を登るみたいで、怖くて唇が震えた。 「ほら、やってみな」 早川は大人の口調で子どもを諭すように言う。子ども扱いされた僕は、屈辱を味わったけど腹の立つのは忘れていた。羞恥のほうがずっと大きい。同級生の女の子にモノを教えられるなんて男子としてはプライド形無しだ。情けなさが上回って頭がパニクっていた。 「ほら」 早川は手本を示すようにシュコシュコと僕の目の前で手を上下させた。その手には何も握られていないけど親指と人差指でつくった輪っかの中に僕のおちんちんが握られているのかと思うと、あまりに衝撃的で、足がガクガクと震えてしまう。 「アヮ…アヮ…」 口は開きっぱなしで男としてはかなりみっともない。好きな女の子の前でこのカッコ悪い姿は致命的だ。 「もうっ 早く済ませてよ。小さくしないと抱き合えないでしょ」 じれったいとばかりに早川は僕の手首を握ってきた。 「あぅッ」 全身に電撃が与えられ、ビクッと身体が震えた。 「ほら、こうするの」 そのまま上下させる。僕は自分の手でおちんちんを握ったまま緊張してジッとしていた。動けないのだ。 だが、動かなくても早川が指導してくれる。 早川に握られた手首が勝手にシュコシュコとおちんちんを擦っていた。僕は自分で肉棒を握りしめているだけ。早川が上下に動かしてくれる。めくるめく気持ち良さだ。一擦り、二擦りする度に身体が跳ね上がる。 「ぁっ… ぁー…」 「もう… うるさいな… …ん?」 早川は何か違和感を抱いたようだ。 「都築の手首ってこんなに太かったっけ? さっき握ったときはもっと細かった気がするけど…」 手首の太さと肉棒の太さをを比べていることには気づいていないらしい。 「ま… いっか」 「ハァハァ」 「目、つぶってるから。これなら恥ずかしくないでしょ。さっさと済ませてね」 早川の手の速度が上がる。 「アーッ ダメッ」 その瞬間、金玉の奥から何かがこみ上げてきた。頭の中が真っ白になる感覚。見始めた映画がいきなりクライマックスを迎えた感じだ。 「え、なに?」 ドピュ!!! ぴゅうっ! ぴゅっ ぴゅっ ぴゅっ 眼下で何かが飛び散っていた。おちんちんの先っちょからオシッコとは違う何かが飛び出したのだ。腰がガクガクと砕けてヒザが落ちそうになるのを早川が支えてくれた。 「はぅっ!? はぅう!?」 僕のおちんちんがこんなことになるなんて。初めての衝撃に頭の理解が追いつかない。 何かお漏らしをしてしまったような罪悪感だ。 「大丈夫っ?」 早川に力強く支えられて、まるで僕はお姫様のように抱かれていた。彼女は目をつぶっててあげると言っていたけど、今は目をしっかりと見開いておちんちんに起こった現象をバッチリと見たことだろう。 気恥ずかしい。 お漏らしを見られてしまったという羞恥と、女の子に支えられている安心感で頭がゴチャゴチャだ。 ぼーっとして何がどうなったか解らないけど、僕たちはいつの間にか鍾乳洞の奥へ移動していた。 僕が寝そべった状態で早川が上から覆いかぶさるようにして、僕を抱きしめていた。向かい合って暖をとっているのだ。これなら体温の低下は避けられるだろう。 後に知ることだが、これが初めての精通だった。 * 紫村 拓(しむら たく)は華のある男子だ。 サラサラとした長髪に、優しい顔立ち。バランスの良い身体や伸びた背筋、その立ち居振る舞いも含めてみんなの憧れの的だ。背は高いし笑顔も素敵。スポーツもできて成績も上位を常にキープしているのだから、女子たちからは絶大な人気を得ていた。 クラス委員長を務め、『町の清掃ボランティア』や『女子運動部の新設』など数々の提案をするくらい積極的に学校へ対してモノを言う姿勢がとても評価されている。これ以外にも『教師不要論』や『幼稚園から高校まで義務教育化』などのワケの解らない持論もあるらしい。要するに頭の回転が速く、カリスマ性のある人間だということだ。 だが紫村は男子たちから疎まれることが多い。 キャンプ初日の夜もアコギを弾きながら歌を披露するという特技で女子の耳目を集め、心酔した女子たちに囲まれていた。 他の男子たちは面白くない。普段は男同士で遊ぶだけで充分だが、せっかく女子と一緒にキャンプ場へ来ているのに、男同士で語り合うしかないのだ。 男子の半数以上は紫村に好意的だが、一部のやつらからは鬼のように疎まれていた。 「さぁ みんなで裸になろう」 焚き火の前で女子に囲まれた紫村は語っ…