「ふうっ …疲れた」
六実はブランコを飛び降りる。目の前には健一が居る。
「う、うああっ!」
パンッ!
六実は飛び降りる際に膝を突き出していた。下から突き上げるようにして硬い膝小僧が健一の睾丸にヒットした。
「うぐっ…」
そのまま六実は健一の胸に手を突いて、勢い余って健一を突き飛ばす形になった。稲葉と長田の二人は同時に健一を解放して地面に放る。健一は背中から地面に叩きつけられた。
「いぎぎぎ…」
男性の弱みである金玉を蹴られて、健一は地面を転げまわる。股間を手で抑えながら呻き声を漏らした。それを生ゴミでも見るような目で六実は見下ろしていた。
「まだ、謝ろうとしないなんて… もっと痛めつけよっか」
稲葉も長田も倉見も異論はないようだ。口々にそうだそうだと同意していた。
4人を相手にしているとは言え、こんなにも一方的にやられるとは思ってもみなかった。同級生の女子たちに囲まれた健一は為す術もなく痛みを堪えるしかない。
「次はブランコに乗せて蹴るよ」
健一は思考回路も停止に近い状態に陥っていた。六実が何を言っているのか解らない。
「まだやるのか…」
解ったのはそれだけだ。長田が健一を後ろから抱えて起こす。身体も自由に動かない。恐怖が増大していく。稲葉と倉見が両隣から協力する。六実は健一の両足を持ち上げた。
そして4人は協力して健一をブランコへと運ぶ。ただブランコに乗せられるわけではなかった。倉見が丈夫そうなロープを自分のカバンから取り出して健一の手首に巻きつける作業をする。彼女は終始にこやかな表情でクスクス笑いをこぼしている。片方のブランコに左足と左腕、もう片方に右足と右腕をそれぞれロープでグルグル巻きにしていた。
「や、やめ…ろ」
健一はさすがに抵抗を再開した。このままでは拙い。しかし後ろから長田にガッチリ脇を固められて両足は六実に抑えられている。
「暴れるならちんちんまた蹴るよ?」
「う…」
六実は自分の両脇に健一の足を挟んだまま冷たく言い放った。この状態からならいつでも股間を蹴り上げられるというわけだ。
やがて2基のブランコを上手く使って健一は磔にされた。硬いロープが腕や足に食い込んでかなり痛い。幾重にも頑丈に巻かれて自力では脱出できなさそうだ。
「な…にやって…?」
大の字に手足を広げた健一は改めて現状を把握してする。目の前には腕組みをする六実。倉見と長田がブランコに腰掛けた。左のブランコに倉見、右に長田、ちょうど健一と横並びになる格好だ。稲葉は少し離れてケータイで写メを撮り始めた。よく見れば小学生ぐらいの子供たちが遠巻きにギャラリーを作っていた。
「一緒に遊ぼうよ?」
「なに言ってやがる…」
健一は強気の姿勢を崩さないつもりだ。いくら傷めつけられても簡単に相手の言うことをは聞き入れない。それは最低限のプライドだ。身体が固定されてしまって絶対的に相手が有利なのだが、女なんかに屈するかと健一は強く思った。
「遊んでくれないなら、これ脱がしちゃおうかな…」
六実は近づいて健一のボクサーブリーフを引っ張った。
「お外ですっぽんぽんになったら恥ずかしいんじゃない?」
「っおお!おいっ!?」
六実は健一の目を見上げている。そのまま下を向けば、覗こうと思えばちんちんを見られてしまう。六実が視線を下げたら終わりじゃないか。
「警察に捕まるかなぁ?」
「遊ぶわけねえだろ! やめろ!」
「遊んでくれないんだ?」
一瞬、六実の視線が下がった。それから引っ張っていたボクサーブリーフから指を離す。ぱちんと健一の腹にゴムが当たった。六実は小さく鼻で笑う。
「コノヤロウ!」
健一は手足を振って暴れた。バカにされたことが悔しくて頭に血が上った。だが健一は何もできなかった。ガチャガチャと虚しくブランコの鎖が揺れるだけ。せめてもの抵抗と健一は六実につばを吐きつけてやった。
「うわっ!」
「汚ぇ!コイツ!」
「やだー」
稲葉たちから非難の声が上がる。しかし六実は冷静にスカートのポケットからハンカチを取って拭いた。それから下がってカバンからカッターナイフを取り出した。健一はそれを見て少し焦る。
「お前! こ、殺す気か!?」
「バカじゃないの?」
カッターナイフの刃をボクサーブリーフの裾に当てる。
「無闇に動くとおちんちん切っちゃうかもね?」
健一は冷や汗が止まらなくなった。殺されると思って怯えたがその怯えはすぐに別種のものへと変化する。ビリッビリッと上手にボクサーブリーフは切り刻まれた。はらりと布が垂れた。お尻の一部が露出する。六実は健一の股間を隠すように手で抑えた。
「うっ」
布越しに六実の手の感触が伝わる。ぐにゃりとちんちんが押さえつけられる。もう片方からも器用にカッターナイフの刃が入り、そちらもはらりと垂れた。
「あ…あ…」
健一は震えた。六実が手を離せばボクサーブリーフは地面に落ちてしまう。そうなれば女子たちの目の前で自分の性器が露わになる…。健一の顔は耳まで赤くなった。
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