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身体測定で(3)

 男子たちはへっへっへと笑いながら去っていった。脱がされたブリーフは遠くへ放られていった。両手を掴まれたまま渡り廊下に突っ伏している聡。加奈と柳が見ている前でお尻が丸出しになっていた。
「ちょっと! なにやってんのっ、あんた??」
 加奈はとりあえず立たせようとまた聡の腕を引っ張る。
「あっ、ちょっと…やめて…」
「何で全部脱いでるのか知んないけど、ちょっと早く立ってよ。ずっとそうしてるつもり?」
「いや…でも…」
 聡は一度、膝立ちになったが、何とか膝を曲げておちんちんが見られないように隠す。
「ちょ…」
「ホントにもうっ。なんであんたいきなりすっぽんぽんになってんの??」
「パンツあそこに落ちてるよ」
 柳が指差す中庭にブリーフが落ちていた。彼女は小さな声だが周りを良く見ていた。
「そっか、あいつらに脱がされたのかぁ。もう、早く自分で取って来なよ」
 加奈はそういって手を離す。柳も同じように離して聡は解放された。聡は急いで両手でおちんちんを隠す。学校の渡り廊下で何も身につけるものもない状態で一人、素っ裸になってしまい、聡は泣きそうになっていた。同級生である二人の女子の前で情けない格好を晒しているというだけで屈辱的だ。聡は両手でおちんちんを隠したまま前屈みで中庭に出る。後ろから視線を感じた。お尻が丸見えになっている。それに気付いた聡は左手を後ろに回して割れ目を手で隠した。加奈が冷ややかな目で聡を見ていた。柳は頬を朱に染めながらじっと聡の身体を見つめる。
「こっち見るな! 向こう向いてろ!」
 加奈と柳は聡の言葉を無視して聡の挙動を冷めた目でじっと見守っていた。
 中庭の向こう側、校舎と体育館の切れ間から運動場が見える。「いちにっいちにっ」という声が聞こえてきた。たまたま体育の授業中である下級生のクラスがあり、そこへたまたまランニングしている女子の集団が通りかかる。50mほど離れてはいるが彼女たちの何人かはすっぽんぽんの男子生徒が居るのを目撃していた。規則正しいかけ声が一時乱れて騒然となる。悲鳴が聞こえてきた。くすくすという笑い声まで遠くで聞こえた。何人かは戻ってきて聡のいる中庭の方を覗き見てきた。「ほんとだー」などと笑っていた。聡はブリーフを前にして彼女たちに背を向ける。
「くっ…そ」
 下級生たちを気にして左手でお尻を隠しながら右手でブリーフを拾う。しかし彼女たちに背を向けるということは加奈と柳に前を見られるということだ。自分の間抜けさに気付いたときはもう遅かった。二人を見るとじぃーっと聡のことを見ている。無防備に露出されたおちんちんを見られてしまった。「はぅっ」と聡は急いで拾ったブリーフでおちんちんを隠す。とっさに左手を前に持ってきたから下級生女子の集団が通り過ぎていく間、彼女たちにずっとお尻を向けて晒していた。
 下級生女子が去っていくのを待って加奈と柳に背を向ける。聡は焦っていた。女子に見守られて、恥ずかしいので早くブリーフを履こうと、足を通そうとしてけんけんしながら数歩跳んで、挙げ句にバランスを崩して転んでしまった。
「あぐっ」
 急いで立ち上がってブリーフを履き直す。焦りすぎて裏返しになっているのに気付かなかった。伸びに伸びきって、しかも土で汚れてボロぞうきんのようになっている。足を入れるところも間違えてしまった。一度、脱いでからちゃんと履き直す。両手で裾を確かめながらなので、その間ずっとおちんちんは晒されていた。たっぷり時間をかけて加奈と柳のところへ戻った。
 ブリーフを手で押さえながら、朱に染まった顔を俯けて二人の前に立つ。
「…もう何やってんのぉ? 先生に怒られるの私たちなんだからね!」
「…」
「さっきからふざけてんの? わざとグズグズしてるの? もじもじしちゃって、あんたの裸なんて私たち興味ないんだから、堂々と男らしくしてなさいよー。もうっ。だいぶ時間くっちゃったじゃない」
「ぅく…」
「人に迷惑かけてるとか自覚してる?」
「ぅ…」
「謝りなさいよ。ごめんなさいも言えないの?」
「…」
 立て続けに言葉を浴びせかけられる。男として情けない格好のまま、女子に叱られて聡はさらに赤面する。もう顔を上げることができない。加奈はメガネをくいっと上げて位置を直した。
 柳は二人のやり取りを見ながら口元が少しだけ上がった。
「もう… 早く行くよ」
 加奈と柳は再び聡の腕を引っ掴んだ。体育館に向かって歩き出す。
「あっ!やめて、あっ」
 両手を掴まれブリーフから手を離してしまう。ブリーフは何の抵抗もなくするりと落ちた。予期せぬ動きに股間を隠すこともできず、おちんちんがぽろんっと露出される。加奈と柳は気にせず歩いていくが、また足首に絡まって聡はすてんっと転んでしまう。
「…」
「…」
 加奈はつかつかと聡に歩み寄って軽く手を振り上げた。
 パチンッ!
 突っ伏したままの聡のお尻が弾かれた。
「いっ!?」
「早く立って。先生に言うからね!」
 聡は手を離してもらい、おちんちんを隠しながら焦って立ち上がった。加奈はまた手を振り上げている。早くしないとまたお尻を叩かれてしまう。
「もうっ。男子ってふざけてばっかりっ」
 聡は片手でおちんちんを隠しながら器用にブリーフを履き直した。柳は無表情を装ったまま吹き出しそうになるのを堪えていた。
「もういいじゃんそんなボロ布… さ、いくよ」
 二人はまた聡の腕を掴もうとしてくる。なんでわざわざ二人で両手の自由を奪おうとしてくるんだと聡は憤る。今度はブリーフを落ちないように何とか手で掴んだまま、加奈たちに両腕を強引に引っ張られて歩いていく。

コメント

  1. ほげぇ より:

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    こういうの好きです。続き期待

  2. 山田厨房 より:

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    > こういうの好きです。続き期待
    ほげぇさん、ありがとうございます。
    いい作品を書けてるのかどうか悶々とするときもありますが、お声を励みに書き続けたいと思います。

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