CM

ビーチレスリングで(1)

 僕は10代最後の夏を田舎で過ごすことにした。海の家のアルバイトをしないかと幼馴染の詩織に誘われたからだ。大学受験に盛大に失敗した僕には夏を海で過ごすなんて資格はないのかも知れないが、もともと緊張感のない僕は何とかなるだろうと考えていた。そんなわけでこの夏は母方の婆ちゃんの田舎に長期ステイすることになったのだ。
 アルバイトといっても大してやることはない。何せ海水浴客は少ないのだ。それでも昼時だけは店内が混みあうから、それだけの緊急要員である。
 詩織とはだいたい3年ぶりくらいか。彼女は僕より一つ年下だが、生意気な口の利き方をする。勝気な女の子は決して得意ではない。そう言えば口喧嘩では勝った試しがない。
「ねえ、また昔みたいにビーチレスリングしない?」
 詩織はその日焼けした肌を見せつけるように僕の前に回り込んだ。
「ビーチレス…? …何?」
 アルバイトも終わってのんきに海で遊んでいた僕ら。二人して浜辺に座ってぼうっと夕日を眺めていたときだった。都会に引っ越していった僕と違って、詩織は何色にも染まっていない。子供の頃のまま天真爛漫さを保っていた。
「ビーチでレスリングするの」
「昔みたいにって言ったか? …やったっけそんなの?」
 そういえばやったかな… そんな遊び…。
「やったよ。私と真ちゃんで何回も。そんで何回やっても私、真ちゃんに勝てなくってぇ」
 確かにプロレスじゃなくても僕と詩織が喧嘩したら体力勝負では負けたことはない。走るのだって相撲だっていつも僕が詩織を泣かせてやった。口では負けるけども。
「はは… 勝てないだろよ、お前」
「わかんないじゃない、そんなの。昔は負けたけど今はわかんないでしょ?」
「はぁ… 普通に理屈で考えろよ。女が男の腕力に敵うか?」
 僕は腕の筋肉を見せながら言ってやった。僕は意外に細マッチョなんだぞ。ナルシストだから鍛えているんだ。筋トレばっかりやってんだぞ。
「柔よく剛を制すって言うじゃん?」
「それは柔道の話だろ? 例え柔道だったとしても俺は負けんけどね」
 僕は呆れた表情を作って鼻で笑ってやった。詩織は鼻と頬をぷくっと膨らませた。
「男も女も関係ないしっ。実際やってみなきゃわからないからっ」
 詩織はツインテールの髪を揺らしながら怒った。何ムキになってるんだ?
「じゃ、軽く遊んでやっても良いけど吠え面かくなよー」
 僕は本当に軽く遊ぶつもりだった。負ける道理がない。そして僕たちはまず始めにルールを決める。詩織にハンデをやるために僕は利き腕を使わないことを提案した。
「別にそれでいいよ。でも真ちゃんぜぇ~ったい勝てないよそれじゃ?」
 僕は余裕を持って「はいはい」と答えておいた。詩織相手なら片手でも勝てる自信はある。次にリングの設定だが相撲の土俵のように砂浜に足で円を引いた。僕はリング外に出されたら負けにしよう。詩織は何度場外に出ても構わない。勝敗は相手を抑えこんで両肩を地面に3秒間付けたら方が勝ちだ。僕が勝つには詩織を押し倒して砂浜に押さえつけるしかない。
「昔と一緒だと思ったら大間違いだからね!」
 舞台は整った。詩織は華奢な身体をしている。スクール水着のようなブルーの飾り気の無い水着だ。足で地を均して戦闘態勢に入っていた。それにしても乳がないな。全然成長してないんじゃないか?
「なんかでもまだ俺の方が有利だな」
「はぁ?」
 詩織のハンデがたったこれだけでは試合にならないだろうと思った僕は、さらに詩織に有利なハンデを提案してやった。
「詩織はどんな攻撃してきてもいいよ。何でもアリってことにしようぜ。砂で目潰しとか打撃とか関節技でも何でもいいから」
「え? 何でも? いいの?」
「おう。何でも」
「金的も?」
「え? き…」
「金的」
「お、おおぅ…」
「でもおちんちん蹴られたら痛いんでしょ? そんなの私余裕で勝っちゃうよ?」
 詩織は口の端を吊り上げる。
「ふんっ大丈夫。お前の鈍い蹴りなんて当たらないよ」
「へ~言ったなぁ」
 詩織は突っかかるようにして僕の胸を押した。イタズラっぽい笑みだ。
 でも詩織の口から金的だなんて…。昔はそんな言葉使ったことないのにな。久しぶりに会って少女から少し大人になったのかなと僕は思った。乳の方はあの頃のままだけど。
「じゃやろうか」
 そうだ…。どさくさに紛れてその貧乳を揉んでやろうっと。僕はにまっと口元が緩んだ。
「じゃ始め!」
 詩織は自身の合図をきっかけに僕に向かって飛びかかってきた。ツインテールと小さなおっぱいが可愛く揺れる。僕はその様子を堪能しながら詩織と左手を合わせる。力比べだ。僕の右腕はだらりとさせたままだから詩織の左手が僕の海水パンツを掴む。マワシを取られた状態だ。組み合って詩織が全力で押してきているのが解る。だが思った通り詩織の力では僕を後ろに下がらせるのは無理のようだ。これなら簡単に詩織を場外へ押し出せると思ったがルールでは詩織は何回でも場外に逃げられる。ハンデを作っておいてやって良かった良かった。
「この~」
 タイミングを見て大外刈りを仕掛けてやろう。恐らく簡単に倒れるだろう。実は僕は柔道もレスリングもやったことなんてないしルールもよく知らない。勝手にこんな感じだろうと雰囲気だけでやっているのだ。詩織は顔を赤くしながら何度も押してきていた。僕は詩織の体重が移動したのを見計らって大外刈りを仕掛けた。
「もー!」
「あれ」
 すっと攻撃を躱された。何だ? 今の動き? 偶然か…。あの鈍くさかった詩織が柔道経験者のような動きをするとは…。まさか柔道でも習ったのか? 僕は次の手をどうしようか考えていなかった。これで決まると思っていたのだから当然だ。
「えい!」
「あっ」
 思いもよらない攻撃だった。何と詩織は僕の海パンを下げたのだ。左手で思い切り下に引っ張ったのだ。ちんちんが見えてしまいそうなくらい下げられたものだから僕は焦った。
「お… おぉいコラ…」
 僕は思わず右手で海パンが下げられるのを阻止した。紐で結んでいる筈だけど緩くなってたかも知れない。
「右手使うの反則でしょー?」
「だっておま、これはしょうがないだろっ」
「ルール破りー!男らしくないぞ!」
 尚も海パンを引き下げようと躍起になる詩織。陰毛は既に露出してしまっていた。
「だっ。コラって… やめろ… おいっ…」
 詩織の足が動いて僕の内股に入れてくる。くいっと足を引っ掛けて僕はバランスを崩してしまった。
「あっ」
 押し込まれる形で僕は尻餅をついた。まだ海パンを引き抜こうと力を入れる詩織。僕は左手も防戦に参加させるために組まれた手を離そうとした。しかし離れない…。
「このっ!このぉっ!」
 ズルッ
 海パンはずり下げられて膝の位置まで来てしまった。当然、僕のおちんちんは露出してしまっている。詩織の目にも映っている筈だ。童貞で彼女の居ない僕は誰にも見られたことないんですけど! 僕は思わぬ事態に焦りを隠せない。
「あーっ!ちょっちょっと… タンマ、ストップ! ストップ!やめっ」
「何でもアリなんでしょおっ?」
 辛うじて右手で防衛しているが、おちんちんが見られてしまっている時点で海パン脱がしの攻防は負けと言っても過言ではない。顔を知っている女の子に見られるなんてかなり恥ずかしいけど、しかし詩織の方は恥ずかしがることもなく攻撃の手を緩めなかった。
「駄目だって。ホントにストップー。卑怯だろ!」
「ダメダメ。初めて真ちゃんに勝てるかも知れないのに」
 くそっ。こんな戦法をしてくるとは思わなかった。ヤバイッ、脱がされた上に勝負にも負けたのでは男として情けなさすぎる。僕は何とか強引に組み合った左手を抜いて海パンの救出を急ぐ。まずは体勢を立て直さないと。だが、僕の左手が防衛に回ったということは詩織の右手は攻撃に転じることができるわけで。思った通りすぐさま詩織は両手で海パンを脱がしにかかった。
「ワ、ワーッワーッ! ヤメろ! コラ!」
 膝まで下げられた海パンはするするっと足首まで下がった。僕は自分の顔が熱くなるのが解る。僕の両手は必死に引き抜かれまいと海パンを握り締める。身体をくの字に曲げる。両足も使って抵抗するがそれは大して意味もなく、不利な体勢も手伝ってあっさり足首から海パンが引き抜かれたー。

コメント

  1. あるある より:

    SECRET: 0
    PASS: de8d6c50fef22cab3abae03d0826b6a1
    はじめまして、CFNM満載なSSとてもいいですね。
    以前は圧勝していた女の子に実力で負けているかもという不安。
    金的狙いの相手に海パンまで奪われるという焦燥感と屈辱。
    とても素敵です。
    続き楽しみにしてます。

  2. 山田厨房 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > はじめまして、CFNM満載なSSとてもいいですね。
    >
    > 以前は圧勝していた女の子に実力で負けているかもという不安。
    > 金的狙いの相手に海パンまで奪われるという焦燥感と屈辱。
    > とても素敵です。
    > 続き楽しみにしてます。
    はじめまして、こんにちは
    山田はその昔、7コくらい歳下の幼い従姉妹に神経衰弱で負けたことあります。「弱ぁい」的なこと言われてグサッとえぐられました。
    つよい女の子に肉体的にも精神的にも負けると悔しくて興奮してしまいます。(というか弱すぎる自分)

タイトルとURLをコピーしました