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一年戦争で(15)

「では早速調べましょう。あなた達、悪いけどトイレからゴム手袋を持ってきてください」
 壇上で淡々とホームルームを進行するイチジク。彼女はマスカットとびわに指示を出す。
 二人が出て行って教室内はしばし沈黙する。
 これから行われること、されることへの警戒と期待、様々の思いが交錯しているようだ。
 教室の前の方に集められた裸の男子たちは、おちんちんを手で隠すことも許されず、手は頭の後ろへ組まされたままだ。
 カギを持っていないことを証明したはずなのに、まだお尻の穴に隠しているのではないかと疑われている。屈辱だし理不尽だしバカげてる。
「持っているんなら今のうちに出しなさいよ」
 保身のことしか考えていないヒナ先生が怖くて誰も逆らえない。
 ヒナ先生の後ろに隠れるように女子たちは僕たちのおちんちんをジロジロと観察していた。みかんは恥ずかしそうに顔を赤くしてちらちら見てくるが、レモンなんかは遠慮なしにガン見してくる。
 こんな状態でも撮影さえされなければまだ助かる道はあるかもしれないと思っていたが、無情にもなすびの奴が無音カメラで僕らを撮影していた。暗くて目立たない女子だから撮影役に選ばれ先生にバレないように撮影していたようだ。
 ちなみに果物しばりのコードネームの中で一人だけなすびと名付けられるほどだ。誰かに命令されて仕方なくやってるんだろうな。
 これで万事休す。男子軍は全メンバーの裸が女子たちにコレクションされてしまった。
 男子軍の敗北が決定し、卒業までの半年間は女子たちの奴隷になる契約が発動されることになる。
 やがてマスカットとびわが獲物を持って帰ってきた。
 水色のなんてことないゴム手袋を二組、トイレ掃除に使うくらいしか用途を思いつかないものだ。今はそれが禍々しく見える。
「ありがとう」
 一つはイチジクが受け取り、もう一つはスイカに渡された。
 リンゴ派に一切の仕事がないことからも女子軍のいざこざが感じられる。
「じゃあ主犯のイーグル君からよ。そこで四つん這いになってください」
 イチジクが教室の中央付近を指さす。そこには腕組みして待っているヒナ先生がいる。
「チッ これでいいのか?」
 イーグルはぺたぺたとヒナ先生の前に歩み出て膝をつく。土下座でもするような格好になる。
 堂々とした態度だよ。
 裸で恥ずかしいはずなのに男らしく胸を張ってぶっきらぼうに対応していた。一片の恥ずかしさも感じてないんだぜと言っているようだ。
 確かに必要以上に恥ずかしがったら女子たちの嘲笑の的。威風堂々としていればいい。ほどよく筋肉のついた細マッチョな体だから見られても平気なんだろうし。
「違います。そんなに足を閉じていたのでは調べられないでしょう? それにお尻はちゃんと先生の方にむけてください」
「…ち」
 だけど何だかんだで言われるがままに命令される姿はどんなに堂々としていても格好悪いものだ。僕らの代表であるイーグルがそんな尻に敷かれる姿を見て、今後もついていけるのだろうか。
「そう、そうやって足を開いて」
 イチジクはイーグルのお尻に近づいた。イーグルがヒナ先生と女子たちにお尻を向ける。ほどよく開いた股の間からぶら下がっている金玉が女子たちから丸見えになっていることだろう。
 小さくクスクスとした笑いが漏れていた。
 あんなに威張っていたイーグルがか弱い女子の前におちんちんもお尻も差し出して跪いている姿は、女子たちにとって勝利の証であり、僕らからすると雄としての本能的なものまで全否定されてしまった敗北の証だ。
「みんなもっと近寄ってカギが落ちてこないか注意して見ててください。それから一列に並んでる男子たちも誰か見張っててください。そこのぼーっとしてるリンゴさんたち、お願いします」
 イチジクはほんの少しだけ唇の端が上がる。
「…ちぃっ…」
 リンゴ率いるリンゴ女子軍が一列に並ぶ僕らの前に移動する。カギをどこかに隠す隙を与えないためだ。
 男子処刑のさなかでも女子同士の牽制が熾烈に行われる。
 ヒナ先生はイスを持ってきて一人足を組んで腰掛ける。ミニスカートから覗くきれいな足が強調された。
「でははじめましょう」
 このクラスで唯一、ブルマの中にシャツを入れるというスタイルのイチジク。三つ編みでメガネというまじめ委員長。正反対の男子、イーグルのお尻を両手で掴んでグッと広げた。お尻の穴を無理やり広げられる。力なき者が学校権力を傘に力のある者を征服する瞬間だ。
「どうですか? 見えますか?」
「暗くてわかんないわよ。ほじくり返してみなさい」
「わかりました」
 イチジクの右手の中指がお尻の穴に突き立てられる。
「うぉっ」
 思わず声が漏れるイーグル。
「ふむふむ」
 パインはそんなイーグルの表情を興味津々といった様子で観察する。
 なすび や びわは恐る恐るイチジクの言いつけ通りお尻を覗き込み、カギが出てこないか見張る。
「…」
 マスカットは朝顔のつぼみでも見るかのように、夏休みの観察日記のために仕方なく見るかといった様子でちょこんと膝を抱え、座り込んでおちんちんの先っちょを見つめる。ベンチの裏側を覗くように首をかしげて不思議そうに口を開けた。
「スイカさん、暴れないように腕を捻り上げてやってください。相当痛いと思いますから」
 イチジクは淡々と進める。
 スイカが命令に頷いてイーグルの四つん這いになった背中にまたがる。そしてイーグルの腕を無理やり掴んで引っ張りあげた。
「うぅっ…くっ」
 イーグルは両手の支えを失い顔を床につけることになる。右頬を床に擦り付け、腕はチキンアームウィング状態に捻られ、お尻はより高く突き上げることになる。
 さらにスイカの太い足がイーグルの広げた股の間に滑りこむように絡ませていく。もろにスイカの体重を載せられて今にも潰れそうだ。
 
「パ…パロスペシャルだ…」
 僕は思わずつぶやいていた。
 スイカは戦闘マシンのように無機質にイチジクの言うことを聞くだけ。スイカであっても女子にあんな技をかけられて、全裸をみんなに観察されるなんて…。
 僕のおちんちんは技もかけられてないのに硬さを増していく。僕の前にいるイチゴはつまらない映画を見るみたいに白けた目でそれを眺めていた。
 ぶすっ!!
「っ!? …ぅぅくぉおぁ!」
 突然イーグルの表情が苦痛に歪む。
 イチジクが中指を予告もなく突き刺していた。
 お尻の穴にゴム手袋の中指が埋まっている。
 ローションもなしに一瞬にして埋(うず)められた細い中指。
「カギはないみたいですね〜」
 イチジクだって本当にそんなところからカギが出てくるなんて思っていない。男子を蹂躙することだけが目的なのだ。
 くい
 指を動かして犯す。
 くい
 指が動いて犯す。
「ぃぃぃ… 」
 イーグルは歯を食いしばって屈辱に耐える。
 倒れたくてもスイカのパロスペシャルは死神のようにイーグルの上にのしかかるんだ。ぷるぷると震えるイーグル。小刻みに揺れておちんちんもふるふると振動する。
 それを面白そうに観察するマスカット。
 びわは初めて見る光景に口に手を当てている。なすびは無表情だが目は見開いたまま。彼女たちは一度はスカートをめくられて下着姿を写真に撮られたんだ。撮影を指図していた主犯のイーグルの逆レイプショーを見ることで溜飲は下がっただろうか。
 パインは脂汗をかくイーグルにハンカチを当てて拭き取る。それでも脂汗が止めどなく吹き出てくる。そんな苦痛にゆがむ表情を優しそうな目で包むんだ。
「もうちょっと調べましょうね」
 結合部が卑猥でイチジクは顔を赤らめていたが、自分の権力と指一本で男子をここまで押さえ付けて蹂躙できたということが彼女にとって自信となる。
 表情に余裕が生まれ始めていた。
「うふふ」
 ゆっくり指を抜くと見せかけ、さらに押しこむ。
「ぬぐぁ!?」
「うふ」
 イチジクは男子の痛みを想像することなどしない。首根っこを押さえ付け、自分たち女子の方が上であるということをイーグルだけでなどなかった。
「ここですかね?」
 指を曲げて縦横無尽にイーグルが弱るポイントを探している。
「ぅぐうぅ…」
「うふふ」
 滑りの悪いはずなのにお構いなしに指がピストンされていく。無造作に何度も突き立て、無遠慮にかき回して、イーグルを犯す。見ていて辛いよ。僕らのリーダーがあんな情けない姿に…。
「…!」
 マスカットはイーグルのおちんちんに変化を認める。
 知らないうちに前立腺でも刺激されたのかおちんちんがむくむくと膨張し始めたのだ。
 初めて見る男子の生理現象に胸をときめかせるマスカット。
「ん?」
 パインはイーグルの目に涙が浮かぶのを確認した。
「す、すいません…した」
「委員長、何か言ってる」
 パインの呼びかけにイチジクが動きを止めた。
「なんですか?」
「すいません。戦争は俺達の負けです。女子に生意気言ってすいませんでした… もう…」
「はぁ?」
 イチジクは背後のヒナ先生を横目で見る。イチジクはムッとした表情になる。確かにこのタイミングでそんなことを言い出して、戦争のことが先生にバレたらイチジクたちだって立場が危うくなるからね。
 いや、イーグルからしたらそれが狙いなのか?
「もう…やめて…ください…」
「はぁ? 調べてるだけでしょう? 許す許さないなんて関係なくないですか?」
「ごめんなさい…。もう…」
「ちょ…黙らないと、もっとひど…」
 ガタッ
 イチジクの背後でヒナ先生が動く。
 みんながそぉっとヒナ先生を注目する。
「すぅ」
 ヒナ先生は口を半開きにしてうたた寝しているようだった。組まれた足がほどけて音を出しただけのようだ。
「先生寝ていらっしゃるわ。残念だったわね… 戦争のこと言ったらただじゃおかないんだから…」
 イチジクはイーグルに向き直る。表情にサディスティックな笑みが灯っていた。
「ぅう…」
「ほら」
「うぉ!?」
 ねじねじと指を押し込まれ、穴を押し広げようとする。
 おちんちんが勃起してしまい、それはイチジクの視点からも確認できる。垂れ下がる金玉の向こうに立派に反り返った陰茎。少し皮が被っているけど僕やバードなんかより立派な一物だ。
 
 男子がお尻を犯されて勃起させられるという事態に教室中の誰もが(ヒナ先生以外)目を見張る。
「ちょっとぉ、まじめにカギを探してるだけなんですから、何を大きくさせてるんですか?」
 わかってるくせに非難めいた言い方でイチジクはにやにやと笑う。
「これこそごめんなさいって言いなさいよっ」
「ご、ごめんなさい…」
「何がごめんなさいなんですか? わかりません」
「ぼ、勃起させて…ごめんなさい」
「まだわかりませんよー? ちゃんとみんなに聞こえるように言ってくださいね」
「ぅ… くぅ」
 ペチイィン!!
「ぁぐっ!」
 イーグルのお尻がイチジクのゴム手袋をはめた左手ではたかれた。
 ペチイィン!! ペチイィン!!
「ぅっぐうぅぅ!」
 痛みに耐えるイーグル。
 予告なく何度も打ち付ける。
「わ、わかった!言う! 言うからっ」
 イーグルの懇願にイチジクの左手が止まる。
「せ、先生のために、みんなでマジメにカギを探しているのに、俺だけ…ふざけてチンコを勃起させてしまって本当に申し訳ございませんでした!」
「ふんっ。よく言えました。許してあげますね」
 ずずずっと指を抜いていくイチジク。
 終わった。
 男子軍のリーダーを完膚なきまでに従わせ、蹂躙して、負けを認めさせる。さらに恥ずかしいセリフも自分で考えさせられ、それを大声でみんなの前で発表させられる。
 イーグルの、男子軍のプライドは粉々だ。
 僕は男子のプライドにあんなにズケズケと入って傷つけてくるイチジクに怒りを感じるが、哀しいかなおちんちんは誰よりも勃起していた。涙が流れる。悔しいから涙が止まらないんだ。
 でもおちんちんの先っちょからも我慢汁があふれ始めていた。
 力の弱い女子に蹂躙されるなんて屈辱に我慢汁と涙があふれた。
 ちょっと力が強いだけの男子が弱い女子に楯突いたためにこんなことになってしまったんだ。
「カギはここに入ってないってことはわかりました。他を探しましょう。痛い思いさせてごめんねイーグル君。耐えたご褒美に気持よくさせてあげるわ」
「…!?」
 イーグルはイチジクの言葉にそれがどういうことか考える隙もなく地獄に突き落とされていた。
 イチジクの人差し指が中指と合体して再度イーグルのお尻に突き立てられたんだ。
「ぅぎぁあっ!!」
 鋭利な刃物のように突き刺さる。
 指の根元まで押し込まれた。
 お尻の穴に埋(うず)もれる。
 おちんちんがわなないた。
 高速でピストンされる。
 指が二本になったことで先ほどまで水平だった手は垂直になり、人差し指が上、中指が下になる。薬指と小指が必然的に金玉に突き刺さる形になった。
 パンッ パンッ パンッ パンッ パンッ
 パンッ パンッ パンッ パンッ パンッ
 思い切り突き立て、征服欲を満たしていくイチジク。
 パンッ パンッ パンッ パンッ パンッ
 パンッ パンッ パンッ パンッ パンッ
「ぅぅぅ…」
 イーグルは苦悶の表情を浮かべ耐えていた。パインがイーグルの頭を撫でてる。優しい目で見守るパイン。
 犯されて金玉を刺激されてさらに勃起してしまったおちんちんを興味深そうに眺めるマスカット。
 イチジクの隣で びわ と なすび が、宙をぶらぶらと情けなく揺れ動くおちんちんを、男子の生態を、余すことなく観察し、イチジクと同じように余裕が生まれてきていた。
 パンッ パンッ パンッ パンッ パンッ
 パンッ パンッ パンッ パンッ パンッ
「ぅ…ぅ…ぅ… もう だ…め…」
「これで最後っ」
「ぁ…」
 イチジクはできるだけ指を引き抜いてから、体重を載せてズボッと二本の指を差し込んだ。
 どぴゅっっっっ!
 おちんちんが一際わなないた。
 ぴゅっぴゅっ
 ぴゅっ
 イチジクは倒れこむようにしてイーグルのお尻にのしかかる。薬指が金玉を刺激して絞り出される。
 …ぴゅっ
 …ぴゅっ
 白濁した液がそこら中に飛び散った。
「さ、まだ全員分あるんですからね。みんなで手分けしなくちゃ」
 まだ、終わってなどいなかった。
 戦後処理はこれから始まるんだ。
◆男子軍:敗北

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