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年の瀬に未来について考える

 SNSにも書き下ろしで書いた話です。
 年末なので特別にこっちにも掲載。
◇◆◇◆◇◆◇◆
 これは近未来のお話である。
「はろー! 僕くん! オナニーナビゲーターのちいちゃんだよー! 初めましてだねー」
「は、初めまして!」
 僕は突然 宙に映しだされた3D映像に戸惑った。
 ちいちゃんと名乗る少女は見た目は12歳くらいだろうか。黒髪、碧眼、八重歯の魔法少女の恰好をした非現実的な女の子だ。元気が良くて笑顔がまぶしい。ふりふりのスカートから覗くふとももはムチムチで肉付きがいい。胸は膨らみかけといったところか。将来的にはDカップに成長するだろう。
 これがどういう技術で実現しているのかは知らない。テレビや電話がどうやって動いているのかも知らないけど、それと同じだ。
「じゃあ、さっそくだけどオナニーをはっじめっるよー」
「ぁはい」
「んー? 声が小さいなー? オナニーしたくないのかな?」
「ぇいやしたいです…」
「もっと大きい声で言わないとナビってあげないぞー?」
「ぁ…ぇ…」
「こらー男だろー? おちんちん付いてるんだろー? ハッキリ大きな声で言いなよー」
 ちいちゃんはクルッと回ってスカートをはためかせる。短めの裾から白いものがちらりと見えた。
「あ… おっっ オナニーしたいです!」
「はーい。よく言えましたあー」
「おぉおぉ…」
 僕は顔を真っ赤にしていた。一人で何を叫んでいるんだ。
 狭く暗い空間に浮かび上がるちいちゃん。対峙する僕。
 バスルーム程度の広さの部屋だ。このオナニー・ナビゲートマシンは一般家庭向けに発売されたものだ。廉価版ではあるが高価なものには違いない。
 こんなものを借金してまで購入する僕はいかがなものかと思うけどね。
「じゃあ始めるねー。…んー? …あれー? もしかしてまだ服を着てるのかなー。マニュアル見てますかー?」
「え?」
「すっぽんぽんで入るように書いてなかったー?」
「あ、ご、ごめん見てなかった…」
「もうっ。あわてんぼうなんだねー」
 しゅるっ
「うゎっ?」
 腕に違和感が走った。引っ張られるような感覚。血圧を測る機械みたいな圧迫があった。おもちゃの手錠のようなもので拘束されていた。
 両手が不自由になり不安になる。
 僕は部屋に入る前に設定画面を思い出していた。英語表記された項目でSとMがあったっけ。サイズのことかと思っていたがそれは間違いだったかも知れない。
「うああ」
 続いて両足が拘束されて僕は宙吊りになる。
「服は破きますけどマニュアルにちゃんとそうやって断ってありますからねー」
「え?」
 ビリッ
 引き千切られる音が暗闇に響いた。
 ちいちゃんの笑顔が心なしか獲物を襲う獣のように見えた。ステッキのようなものを振り回している。僕に向けてキラキラとしたエフェクトがふりかかって、
 ビリリッ
 寝間着であるジャージが瞬く間に切り裂かれていく。
 目の前でちいちゃんが笑っている。
 あっと言う間に僕はブリーフ一枚になっていた。
 優しく接して欲しい。
 癒やしを求めて購入したはずだった。
 僕はマシンのスペックからそういう対応もしてくれると書いてあった雑誌広告で読んでいた。それで購入を決意したんだ。だけど設定を間違えてしまったらしい。
 もっとマニュアルをよく読むべきだったな。
 12歳くらいのどこにでもいそうな天使のような少女が、豹変していた。獲物を狩る猫のような目と大好きな甘いチョコレートケーキを手にとって食べようとしている口角(こうかく)の上がった唇。
 くすくすと笑いながら僕に近づいてブリーフに手をかけた。
「えっとー、設定は超絶ドM野郎コースだったねー」
「そんなコースだったの!?」
「口答えしないでねー。大して能もないのに先輩ヅラするのやめてくださいねー」
 ちいちゃんはブリーフのゴムを引っ張っては離して、僕のへその下あたりがパチンッパチンッとゴムパッチンされていた。
 傍から見たらなんて情けない姿なのだろう。僕はドM野郎なんかじゃないのに小学生くらいの女の子の前でパンツ一枚になって弄ばれてるなんて…。
「ん? 抵抗したかったらしてもいいんだよー? 今さら無理だろうけどねー」
 ちいちゃんは屈託なく笑って僕のおちんちんを人差し指で弾いた。
 目下に小さな頭があって、お下げ髪からはいい匂いがしてくる。
「じゃ、そろそろ僕くんのおちんちん、見せてもらおうかなー」
 にひひとちいちゃんは笑って躊躇なくブリーフを引き下ろした。
 ぺろんとおちんちんが露出されて、ちいちゃんは「わぁ」と声を上げる。
 想像以上に恥ずかしかった。
 ちいちゃんよりも歳上の僕が一方的に裸体を、性器を露出しじっくりと観察されてしまっていた。こんな経験は初めてだ。
 恥ずかしさのあまり心臓が波打つ、紅潮して熱くなる。汗が滴って身体が震えた。
 そして何故かおちんちんが反応し始めていた。
「へぇおちんちんってこんな形なんだねー。僕くんのおちんちんは、これは包茎って言うのかなー?」
 ちいちゃんはいろいろな角度からおちんちんをジロジロと見ている。震えている鈴口や陰嚢、毛の生え具合。息を吹きかけて僕の表情を上目遣いに見る。
 大の字に宙吊られた僕はブリーフ一枚をヒザに引っかけた状態で、身体を女の子にジロジロと観察されるという羞恥プレイを受けていた。
 こんなプレイを望んでいないのに、ムクリとおちんちんが大きくなり始める。
「あれ〜? 何もしてないのにおっきしてきちゃった」
 ちいちゃんはクスクスと口に手を当てて笑いを堪えた。
「あ… あ…」
 こんなはずはない。
 こんな児童の前で性器を見られたという程度で勃起なんてするはずがない。
 何かの間違いだ。
 しかしおちんちんはむくむくむくと天を目指した。
 その勃起していくさまをまじまじと見つめるちいちゃん。朝顔の成長でも見守るような感じだ。僕の羞恥に揺れる表情と反比例して恥ずかしげもなく女の子の前で勃起するおちんちんを交互に見ながら うふふと笑う。
「残念だけどしごいてあげることはできないんだよー。超絶ドMコースだからねー」
「え…」
 僕はお預けを食らったような犬みたいに戸惑った。
 オナニーマシンなのにしごいてもらえないのかよ。
「あははっダメだっなにその顔! うけるー さわって貰えると思ったのー?」
 ちいちゃんはケラケラと笑いだした。
 そう言えば雑誌広告には全裸になったちいちゃんがおちんちんをしごいてくれると書いてあったはずだ。だが、ちいちゃんはまだ服を着ている。コースが違うとこうも一方的に責められるのか。
「僕くんはどんなシチュを望んでるのかなー?」
 ちいちゃんは指をパチンッと鳴らす。
 それを合図に周りの景色が明るくなる。眩しさに目をつぶってしまう。
 何もなかったはずの部屋が豹変していた。
 急に現実に引き戻された感じだ。
 眩しさに慣れて目を開けると見慣れた風景が目に映る。
 いつも通っている教室だった。
 学生服を着た級友たちが突然 現れた全裸の僕を見て目を見開いて驚いていた。
 ちいちゃんはブカブカの制服に衣装が変わっている。
 しばらくして時が動き出したかのように騒然となる。
 クラス中に悲鳴が響き渡った。
 顔を見知った女子たちが僕から離れていった。男子たちは驚いていたが、現れたのが僕だと解るともう日常に戻っていた。
 なんだ、僕くんじゃねぇか。全裸なだけで。
 しかし異性は違う。
 おちんちんなんていう普段 見ないものがぶら下がっているのだ。
 僕に向けられる敵意は凄まじかった。
 僕はと言えば頭が真っ白になっていた。
 嘘だろ?
 たかがマシンじゃなかったのか。
 あれ…? これひょっとして現実なのか?
 でも相変わらず両手両足は拘束されたままで性器をぶらぁんと露出されたまま。
 カチカチに勃起させてね。
 僕はみんなよりだいぶ遅れて事態に気づいて叫んでいた。
「見、見んなーーーー!!」
 僕がクラスで築き上げたそこそこ恰好良いというイメージや知的というイメージが崩れ去って変態という烙印が押された瞬間だった。
 涙が溢れて鼻水が溢れた。
 逃げ出したくても身動きがとれない。顔を覆い隠したいのにぐちゃちゃに汚れた顔は晒されたまま。女子たちに引き攣った表情。男子たちの戸惑いと哀れみの顔。
 突然 日常に投げ出された僕はパニックを起こしていた。
 何かを叫んで動けないまま暴れた。
「うふふっ。僕くんのクラスって可愛い子 多いねー」
 ちいちゃんはこともなげに服を脱ぎ始めていた。
 ブラの必要のない胸が露出してぷっくりとした双丘が露わになった。
「見せられるのはここまでだよー」
 ちいちゃんはスカートをたくし上げる。すると白いパンツの上から、股間の部分に熱り勃つおちんちんが現れる。
「なっ!? な…? へ?」
 思っても見ないことだった。僕はドM野郎なんかじゃない。ドSでもないけどプライドを持った男なんだ。あ、あんなもので…。やられて堪るか!
 しかし一片足りとも抵抗できない。
 がしゃがしゃとマシンが動いて僕は宙で両足を引っ張り上げられた。
 一際 高い悲鳴が教室中にこだました。
 僕はみんなの前で、大開脚の上でお尻の穴を差し出していたのだ。
 分娩台に乗せられたかのような恰好だ。
 セックスのときに正常位で女の子がする恰好。
 それを男である僕がクラスメイトの前に晒していた。
 自我が崩壊していく。
 二度と学校になんて行けないと思った。
「入れるよー。ぐっちゃぐちゃに犯してあげるからねー」
 ちいちゃんはそんなこと関係ないといった表情で僕をいたぶることに専念したいようだ。機械に押さえ付けられた両腕、閉じることのできない両足。ちいちゃんは僕の腰を掴んで、そのぶっといペニスを僕のお尻の穴に押し込んできた。
 ぷすっ
 ほんとに躊躇ってものがないな。
 嬉しそうなちいちゃんの表情。
「あははっ」
「うぐぎゅ…」
 僕は挿入される痛みに唇を噛んで耐えた。勃起したおちんちんが所在なく揺れていた。
 悲鳴をあげる女子たちも息を呑む。だんだんと嘲笑が増えてきていた。そういえば悲鳴を上げている割に誰も教室を出て行かない。顔を両手で覆いながらもしっかりと指の隙間から見ているんだ。早熟な女の子たちなんかちょっと近づいてきてるもんね。
「あははっあははっ。入っちゃったねー。僕くんのオマンコに入れちゃったー」
 ちいちゃんがゆっくりと腰を動かしはじめた。
 ぱんぱんぱんっ
 可愛らしく動く腰が僕のお尻の肉を打った。
 ぱんぱんぱんっ
 ハッキリと犯されてるんだと僕の脳が認識する。
 ぱんぱんぱんっ
 男としての機能は無意味に揺れていた。ガマン汁がびちゃびちゃと溢れてくる。もしかして感じてるというのか? 痛いだけなのに。違う、これは身体の機能なのだから快楽とは無関係にあふれ出ているだけなんだ…。
 ぱんぱんぱんっ
 ぱんぱんぱんっ
「あははっ、えへへっ。愉しーぃ。僕くんの顔!」
 ちいちゃんが汗ばんだ表情で僕の犯されてる顔を見て笑った。
 男性が女性に犯されるなんて性的倒錯が許されて良いのか?
 クラスのみんなの前で公開レイプショーなんて僕のプライドを粉々にするなんて酷いよ。
 女子たちはいつの間にか僕の周りに集まっていて、男性がセックスのときにどういう表情をするものなのかをじっくりと観察しはじめていた。お尻を責められるとどういう表情をするのか。歳下の女の子に為す術なくリードされるとどういう表情をするのか。しかしやはりなんの参考にもならないと思っている。男の癖に子どもなんかに押さえ付けられて動けないなんて情けない奴なんか観察しても意味はない。であればただのショーとして愉しむのが正解だ。
 女子たちはだから笑って僕を見ていた。心配そうな表情の子もいるけど、助けようとまではしない。僕が愉しんでいるように見えたのかな。
「ほらっ。花びら大回転だよー」
 ちいちゃんが号令をかけるとマシンがぐりんっと周り始めた。僕の両手両足を押さえつけるアームが回って僕は正常位から後背位の恰好になる。
 ちいちゃんのペニスは僕のお尻に入ったままだ。
 僕は女性のように女豹のポーズになってちいちゃんに犯されていた。
 かと思うと、またぐりんっと回って元の正常位になる。一回転したわけだ。
 また回転する。
「意味が違うっ!」
「あははっ。僕くんのお尻 感度いいなー」
 ちいちゃんは回転する僕を尻目になおも突いてくる。
 ぱんぱんぱんっ
 ぱんぱんぱんっ
 なんだ、この感覚!
 お尻の奥が熱い。
 未体験の快楽が僕の身体を襲う。
 ぱんぱんぱんっ
 ぱんぱんぱんっ
 ぐりんっぐりんっ
 振り回されながら突かれて、僕は涙を流しながら何ごとかを叫んでいた。
 子どものように泣きじゃくって、実際は歳下の女の子に泣かされているわけだが。
 しかし快楽はおちんちんを勃起させ続ける。
 ガマン汁を分泌し続けるのだ。
 ぱんぱんぱんっ
 ぱんぱんぱんっ
 ぐりんっぐりんっ
「ほゎぅーーーーー!」
 どぴゅっっ!
「あははっ」
 ぴゅっっぅ
 ぴゅぴゅぴゅぴゅ
 射精していた。
 そこら中にぶちまけていた。
 クラス中に悲鳴が響き渡った。
「また、使ってね!」
 オナニーマシンはそれ以来、使い続けている。
 もちろん、超絶ドMコースだ。
 学校にも普通に通っている。マシンにデータを打ち込むと日常風景がシミュレーションされるわけだ。
 自我の崩壊が味わえるオナニーだった。
「ほんと、どうしようもない変態さんだねー」
 男が女の子に犯されるなんて倒錯、最高じゃねーか!

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