僕に光学迷彩の特殊能力があると解ったのは去年の今ごろだ。
簡単に言うとカメレオンみたいな擬態能力である。
肌が背景に同化して、周囲の人の目から姿が隠せるのだ。
すっぽんぽんになることで、まるで透明人間さながらに誰からも認識されなくなる。
薄目を開けてみた。
体育の時間前、女子どもが裸体を晒している。色とりどりのパンティを晒し、大きさの違うブラを晒し。紺色のブルマに着替えていた。
僕と同い年の癖してみんな発育が良いなぁ。
おっぱいがぺったんこなのは4・5人くらいで後はよっぽどいいもん食べてるんだろうね。
ぷりんっとしたお尻やたわわなお乳がたくさん並んでいる。
「だる〜」
僕の憧れの遥ちゃんがウチワでパタパタと扇いでいた。スタイル抜群だな。腰まであるサラサラの長い髪、グリーンの髪留め。白と水色のストライプのパンティ、レモン色のブラ。Dカップのおっぱい、そしてお乳と同じくらい大きいお尻。くいっとあがって曲線がすばらしいよ。
暑がって体操服をなかなか着ようとしないので、その裸体を充分に堪能できる。
「なんでこんな暑いのに身体 動かさないかんのよ〜」
仰ぐたびにおっぱいが揺れ動いて目が離せなかった。キラキラと胸の谷間に光る汗を、思いっきり顔面に浴びて吸いたい。おっぱいを吸いたい!
「でも遥さぁ、冬だと身体を動かしたくなるわけじゃないでしょ?」
メガネ女子のマジメそうな友理子が指摘する。
無地の真面目そうなパンティだ。僕にお尻を向けて腰を曲げている。ブルマに片足を突っ込んでいるところだ。ショートカットなのでブラがよく見える。キレイな背中だな。ブラホックがよく観察できる。ブルマを穿く仕草が僕を誘っているようにしか見えない。
「まじ だるい〜」
「あ、スルーした」
「アイスたべた〜い」
おちんちんを挿入して欲しそうな欲求不満顔だ。よっぽど棒状のいやらしい形をしたアイスキャンディーにしゃぶり尽きたいに違いない。
もっと近くで見たい。
僕は勃起したおちんちんを隠して薄目のまま少し近づいてみた。
柔らかそうな白い身体だなぁ。友理子は意外にお尻が大きい。押してみたら僕はどれくらい跳ね返されるだろうか。マジメを装って本当は淫乱なんじゃないか?
机とイスの間を縫って床を這いずる。
ぺた… ぺた… と足音を立てずに近づく。
遥ちゃんのおっぱいに埋もれたいなぁ。あんな… おまんじゅうみたいな、…マシュマロみたいな …もちもちなおっぱいに挟まれたら窒息するだろうけど安らかに死ねるなぁ。
あの大きなお尻に埋もれるでもいい。生尻の感触を顔面いっぱいに浴びて窒息するんだ。退かそうとしても重すぎて退かせないに違いない。いずれにしてもぽっくりと逝けるよ。
近くで千菜(ちな)がこちらを見ていた。
しまった。
目が合いそうになって僕は慌てて目をつぶる。
幽霊みたいな大人しい子である。存在感が薄くて接近しすぎてしまった。悲鳴をあげないからバレていないようだな。
それにしても、もっさい髪型だ。肩まであるボサボサ髪。片目を覆ってしまうほどに毛量がある。前髪が長いから顔のほとんどが隠れてる。誰よりも白い肌。地味な五角形の白パンツに灰色のスポーツブラ。あばらが浮いて見えるし、棒みたいな太ももだ。子どもっぽい体型だよ。もたもたと着替えるのが遅いし。普段からぼ〜っとしているんだよな。あまり喋らないし、何を考えているのか解らない目をしてる。
「…?」
千菜は訝しがりながらもシャツに手を通す。
危ない危ない。
この能力には欠点がないわけじゃないのだ。
まず毛は迷彩にならない。
だから僕は毛という毛は全部 剃りあげてやった。頭髪を始め、脇毛やおちんちんの毛も全部だ。鼻毛も何かの拍子に見えないように全部 抜いてやった。眉毛も剃って書いてる。頭髪に関してはズラをかぶることで問題ない。しかしまつ毛だけはどうしても抜くことができなかった。普段、人と接するときにまつ毛がまったくないのも変だし、男がつけまつ毛も変だと思われるだろう。
だからこれは仕方ない。
同様に爪もダメ。これは手足の指を猫の手にして内側に曲げることで何とか凌いだ。
もう一つ、目ん玉も隠せない。
カメレオンのような擬態なので目をつぶれば隠すことができる。しかし今みたいに女子の着替えを覗き見するときは目を開けないと見えないからなぁ。なるべくバレないように薄目にして、目をずっと開けたままにしないよう心がけるしかない。
最後に最大の欠点とも言えるが、粘膜系も隠せないということだ。
あくまで擬態できるのは皮膚だけであった。
唇が一番目立ってしまうので、梅干しを食べたときみたいに口を窄めて対応することで完璧に隠せる。
その他はだいたい隠れてるけど、亀頭だけはまずい。
目をつぶって口を窄めて、猫の手にしても亀頭だけ丸見えということになる。透明人間なのに亀頭だけ浮いて見えるのは困る。
でも僕は仮性包茎なのだ。
勃起しても全部 剥けないからピンク色の先っちょを猫の手で隠してしまえば大丈夫さ。これで最大の欠点も克服できた。
「遥〜 友理子〜 早くいこうっ… よっっ!?」
どんっ
みここが僕に躓いた。
で〜んっ
背後からやってきたみここは、僕の背中にぶつかって頭の上を通り越して、顔から床にダイブする。
「いってぇよー」
ふくよかな、みここの身体はクッションの役割になる。痛そうに鼻を抑えて、四つん這いになる。パンパンのブルマが目の前にあった。海のように青く広く大らかなお尻が目に飛び込んできたのだ。クラス最大級のお尻である。巨乳のようなお尻だ。肉付きが凄い。齧り付きたくなるね。
ポニーテールの髪がゆらゆらと揺れて、まるで馬がお尻を振っているみたいだ。
みここはあんまり好みのタイプじゃないのに、こんな弾力抜群の柔らかそうなお尻を見せられたらますます勃起が収まらない。
僕はギアをバックに入れて後ずさる。
ここは教室の窓側、前から2列目。机の間を縫って黒板の下まで来た道を戻る。
体操座りになってみここから離れた。
「大丈夫〜?」
「ひゃははっ 転んでやんのー」
遥ちゃんや他の女子たちがコケたみここを笑う。
「やだ〜 なんかにつまづいた〜」
「何もないとこでコケてるし」
「派手に転んだねー」
「おっぱいでケガせずにすんだんだ?」
「あははっ」
「うふふっ」
みここのそばに女子たちが寄ってくる。着替え終わったみここが着替えの終わってない女子たちに助け起こされてる。みんな間抜けなみここを笑っていた。みここは足元を見て何につまづいたのかを探している。
ふうっ。
とりあえずバレずに済んだな。
ん?
あ…。
行く末を心配して目を開けていたのがまずかった。
千菜が恐怖に引き攣った顔をこちらに向けていたのだ。
目が合ったね。速攻で目を閉じる。
そのままじりじりと教卓のほうへ移動して逃げる。
まずい。
騒がれたら一巻の終わりだ。
「…」
女子たちがわいのわいの教室を出て行く。みんな着替え終わったようだ。
薄目を開けて教室を眺めてみる。誰もいない。
ふうう…。
危なかったなあ。
要注意だな
僕は立ち上がって擬態を解いた。すべて丸見えになった状態だ。
さて物色するか!
同じクラスの女子たち(の制服や下着)に囲まれながら僕は勃起したおちんちんを握るのだった。