またサトシに騙された。
「ぬーげ! ぬーげ!」
「あははっ」
めかしこんでお上品な洋服に身を包んだ女子たちが俺を取り囲んでいた。
俺は紙皿を股間に充てながら自らの手でブリーフを引き下ろしていく。
「きゃーっ」
「やだっ。ほんとに脱いだっ!」
「いやぁ… きも…」
「女子の前でバッカじゃないの?」
「やだー」
悲鳴や批難めいた女子の言葉が降り注いだ。それらは予定調和のものでしかなく、本当に驚いた様子はない。むしろ俺の裸をガン見している。拍手して笑っている者もいた。
「くそっ…」
俺はブリーフを足から引き抜いて背後にぽいっと捨て置いた。
広いリビングには8人もの女子たちが詰めかけて、ソファに座ったり床に寝転んだりしていた。俺の背後には庭に出るための窓があるだけだ。
「さ、草凪。早く芸してみてー」
笹木は腰に手を充てて、ニヤニヤと命令してきた。
今日は中邑のお誕生日会だというので彼女の家にクラスメイトが集まった。女子ばかりじゃつまらないから男子も呼ぼうということで男子も呼ばれていたらしい。それでサトシに声をかけられた俺は乗り気でもないのに中邑の家を訪れた。男子は俺以外に4人は居るはずだった。
しかし現れたのは俺だけ。完全に騙されたわけだ。笹木を始めとして女子たちは「なんで来たの?」みたいな目で見てきやがった。男子は呼ばれていなかったのだ。
「待てー! 変質者!」
俺は小さな紙皿を股間にぴったり張り付かせて、走るアクションやジャンプしてみたりした。俺はプレゼントを持ってこなかったので代わりに隠し芸を披露する羽目になったのだった。
サトシが男子代表で用意しておくと言っていたから持ってこなかっただけなのに。
「ツヨシ100%だ! あははっ」
「いまちんちん見えた!?」
「いやぁだー」
女子たちは大いに笑った。屈託なく心から楽しんでいる。
「俺ですかー? 俺は丸腰デカですよー!」
俺は顔を真っ赤にしながら寝転んだり踊ったりした。女子たちのキラキラした目が俺の股間に集中して紙皿が落ちないかをガン見する。紙皿から一瞬だけ手を離す。すぐにもう片方の手で紙皿を抑えた。同じことを何度か繰り返した。ケタケタと笑い転げる女子たち。完全にコケにされていた。
だが、我ながら100%の出来だ。完璧におちんちんは隠れて一切見られることはない。
「ショートケーキが一個乗る程度の紙皿で隠れるおちんちんって、どんだけ小さいの?」
きゃははっと笹木はガヤを飛ばす。ドッと受けて女子たちは大笑いだ。俺は小さいと言われてムカッと体温が上昇する。
「あらあら」
「バカでいいよね。男子って」
ダイニングで中邑のママやお姉さんが笑っていた。俺が子どもだと思って娘たちの愚行を止めない無能な大人たちめ! 子どもなら見られても恥ずかしくないとでも言うのか。
「あーっ 見えてる見えてるっ」
うふっと中邑がオレンジジュースを片手に指摘する。
そんな馬鹿なっ。
完璧に隠していたはずなのに。失敗したのか? 俺は焦る。
「ほんとだ。ぷぷっ。お尻丸出しだ」
「窓に映ってるわよ」
みんなが手を叩いて笑う。
背後のガラス窓にお尻が映っていたらしい。俺は後ろを振り向いてガラス窓にお尻が映って
いるのを確認してしまった。丸見えだ。カーテンを閉めておくべきだった。
いるのを確認してしまった。丸見えだ。カーテンを閉めておくべきだった。
好きな中邑に見られてオタオタとしてしまう。
「ぎゃ」
俺はひっくり返った。
笹木の言葉に身体が熱くなり、無能な大人に苛立ち、中邑の指摘に焦って自分のブリーフを踏んだのだ。バナナの皮のように機能して、俺は盛大に転ぶ。大股開きで両手を後ろについた。
紙皿が落ちて、ツルツルで短小の包茎フニャチンが開陳されてしまった。
「やだ! おちんちん出ちゃった」
「失敗してやんの。もっと芸を磨かないとダメね」
「うわ 小さ」
「きゃはっ 丸腰ツヨシだ」
「ヘタクソー」
ムクムク…
おちんちんが勃起し始める。女子たちに笑い者にされて股間が硬くなっていくのを感じた。俺は急いで紙皿で隠すのだった。
コメント
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すごくいいです
続編希望します!
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ありがとうございます。
ぜひ続きを書きたいと思います。
たぶん夏頃には…何とか…