大型のバンに乗せられた僕はすぐに全裸になるように命令された。美里の見ている前で一枚一枚脱いでおちんちんを晒す。
「なんだ、お前。チン毛剃ってんのか? がははっ」
「はぃ…」
思わず前を隠した状態で俺は畏まった。前の座席のほうで浜尻他、4人のヤンキーが嘲笑っていた。その内の二人は女だ。運転席には高校生よりは歳上に見える男が乗っている。浜尻の先輩だろうか。
「正座しろっ」
「はぃ」
美里は浜尻の登場で何も言えなくなっていた。彼を怒らせれば手がつけられないのだから仕方ないが。
「なんでこいつ(美里)がお前と一緒に居るんだ? 狙ってんのか? オ?」
「ぃぃぇ… そんな…」
俺は伏し目がちで否定するしかない。確かに美里のことは好きだけど俺から誘ったわけじゃないし…。むしろからかわれて遊ばれているわけで。
ゴッ
「うっ」
いきなり肩口を殴られる。すぐに暴力に訴えてくるやつらだ。
「あんま舐めてっと埋めるぞっ」
「ごめんなさい」
「手は膝の上だろがっ」
「はぃ」
言われた通りに股間から手を退けて丸出しにする。美里はそっぽ向いているが高校生らしき金髪の女たちはこちらを覗き込んで嘲笑っていた。
全裸で正座させられて詰められる俺の姿はさぞかし惨めなんだろうな。それでも腕力で勝てない連中にはこうしてひれ伏すしかないのだ。
「……ちょっともう止めてあげて」
美里はこうなることは本意ではない。自分から連れ出した負い目もあって何度か助け舟は出してくれる。だが残念なことに浜尻は聞く耳など最初から持っていない。
ゴッ
ゴッ
俺は何度も殴られ、因縁を付けられる。結局、俺から誘ったという既成事実が作られてしまった。
「もういいわ。お前降りろっ」
「へ?」
「帰れや」
「はぃ」
俺はヘコヘコと服を着ようと思った。ところが常識のないコイツらは発想も鬼畜でまともに帰してくれるはずもない。
浜尻がバックドアを開けて「早くっ」と急かす。
「いやあの…」
服は着させて欲しいという意味で衣服を掲げてみるが、浜尻はそれをムンズと掴んで俺から奪い取る。
「お前の顔見てんと苛々すんわ! 降りろや!」
ドンッ
「はぐっ」
俺は蹴られて荷室から転げ落ちた。アスファルトの上に裸のまま落ちて、したたかに尻を打ち付ける。車の中から浜尻と美里以外の連中から笑い声が漏れていた。
「じゃあな!」
ブチ切れた浜尻は無情にも怒りの形相のままドアを閉めてしまう。
「あっ」
俺はすぐに状況を理解した。人通りの多い学生街のど真ん中だった。近くに女子大でもあるのかきれいなお姉さんたちが一斉に悲鳴を上げる。
「きゃー! なに!?」
「うわ。何よアイツ」
俺はすぐに立ち上がってバックドアに飛び付いた。だが立ったときにはもうエンジンがアクセルが踏み込まれていたようでタイヤがキュキュキュと回転して動き出す。
「ちょっと!」
俺はおちんちんを隠しながら周りをチラと見る。遠巻きに女性たちがこちらを注目していた。みんな驚きの目で困惑した様子だ。
バンは勢いよく車道に出て発進していった。みるみるうちに遠ざかる。嘘だろ? こんな恰好でここから歩いて帰るのか? その前に警察に捕まってしまうじゃないか。アイツ鬼かよ!
俺はパニックになっていた。
追いつけるわけもないのにバンを追いかける。
女性の悲鳴が響く中を俺はペタペタと股間を隠しながら走った。内股で背中を丸めたダサい走法だ。顔が真っ赤になって頭から蒸気を噴き上がった。悲鳴の中には笑い声も混じっている。「写メ撮ろ」という言葉も聞こえてきた。
「待ってへー」
俺の願いが通じたのか100メートルほどでバンが停まる。右折して反対車線へとUターンした。俺は「ぁ、戻ってきてくれるんだ…」と安堵する。さすがに警察に捕まるようなことは避けてくれるようだ。
急いで俺も反対側の道路へとペタペタと横断する。
キッキー!
「はうっ!?」
後ろから走ってきていた車に気づかず、もうすぐで轢かれるところだった。
同時に思い切りクラクションを鳴らされてしまう。首を竦め、思わず両手を離してしまい、おちんちんを丸出しにしてしまう。車の中ではお姉さんが口をぽかんと開けて、俺のことを宇宙人でも見るような目で見ていた。
「ごっ ごめんなそ~ぃ…」
ヘコーッと頭を下げて両手で股間を隠し直しそのまま横断を続ける。だが反対車線からも車が走ってきていて、俺は中央分離帯でしばし立ち往生するしかなかった。
車を見送って反対側の歩道に走り込むと、そこにも道行く若い女性たちが居て、蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
振り返ると後続のバンが戻ってくるのが見えた。ここで待っていれば乗せてもらえるよな…。
「これだけ返してやるよっ」
戻ってきた浜尻たちのバンから窓が開いて声が聞こえた。悪ノリした助手席の男が何かを投げて寄越す。しかし丸められたそれは思いの外、飛距離が出て歩道の向こう側に飛んでいった。
「あぁっ」
白い塊はたぶんブリーフだ。俺は両手でキャッチしようとバンザイした恰好でぴょんっとジャンプしてみせる。だがボールみたいに丸められたソレは用水路にひょーいと落ちていってしまった。
「あぁああぁっ」
フリチンのままガードレールに飛びつく。
ブォオン…
バンは俺を乗せることなく、そのまま走っていった。
「えぇえぇ…」
おちんちんを隠すことも忘れて俺は呆然とお見送りする。周りでは女性たちがヒソヒソと俺を指さしたりしていた。
早く逃げなきゃ。
まずい…。
ここどこだ?
とりあえず人気のないところへ行かないと…。
コメント
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浜尻とその仲間ら全員ぶち殺したいシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネ
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この不良達みたいな自分より弱いやつしか攻撃してこなさそうなやつはぶん殴りたくなるわこいつらが死ぬシナリオでも書いてくれや
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> この不良達みたいな自分より弱いやつしか攻撃してこなさそうなやつはぶん殴りたくなるわこいつらが死ぬシナリオでも書いてくれや
こいつらが死ぬシナリオかどうかわかりませんが後悔させるくらいの末路は考えてみました。長編版で書いていきます。