chubooは18禁小説を書くときはだいたい素っ裸。
昭和最後の時代。
自然が多く残る地方の田舎町。釜凹S学校でその戦争は勃発した。
タケがS3年のプールの授業前に戦争のきっかけをつくった。スク水に着替えた宿敵リンの脱いだパンツを奪って、それを掲げて廊下を走ったのだ。
男子と女子が同じ教室内で呑気に着替えていた時代だ。荒くれの男子が女子にイタズラをするのも仕方がないと言える。
この事案をきっかけに男子と女子の仲が急速に悪くなり、男子と女子は啀み合った。冬には6人対6人の雪合戦で頂上決戦が行われたのだった。
当時は圧倒的な力の差を見せつけて男子軍が勝利した。敗戦を喫した女子軍はS4年の一年間、掃除当番を押し付けられるという憂き目に遭ったのだ。
S5年になっても啀み合いは続いている。ふとしたきっかけでまた大戦へと発展してきたところだ。参加人数は男子4人対女子3人。人数は少ないもののS3年の頃よりルールが付け加えられ高度な戦いになってきていた。
タケは次の獲物である女子軍リーダーのミヤを付け狙っていた。柔道と空手を習い、ハンドボール部に所属し、ソロバンをこなし、学業の成績もトップクラスという優秀な生徒だ。
ショートカットでスカートを穿かない派のボーイッシュな少女。
ミヤは集団下校の分団を一人離れて家路につくところだった。
ユースケと仲間のタケ、タイチは木陰から飛び出す。
ミヤが一人になるのを狙っていたのだ。
「覚悟しろや!」
男子軍リーダーであるタケが真っ先に突っ込んでいく。
「あ、あんたたち!」
ミヤはすぐに臨戦態勢に入った。
ユースケはタケとタイチの後ろに隠れて様子を伺う。自分は戦闘要員ではないと自覚しているからだ。この戦いには無理やりと言っていいほど強引に参加させられた。本当はバカバカしいと思っているがタイチとの付き合いもあるから、戦いに参加しているだけだ。
「おらぁっ なんだこの!」
色黒で強気なミヤはタケを背負投する。
「うぎゃッ」
タケが倒れて、その後ろからタイチが突っ込んだ。
ミヤが一人で下校するところを待ち伏せして集団で襲うというのは戦争が勃発したときから決めていた話だ。敵将は強い。彼女を倒すには卑怯にも見えるやり方しかなかった。
「そりゃっ」
「あががっ!」
後ろから襲いかかったタイチを軽くいなして腕を後ろに回させる。まるで相手にならない。ユースケは前線に出て戦わなくて構わないという約束で戦いに参加した。だからタケとタイチを加勢することはしない。というかできない。
「逃げろ!」
タケは思ったよりも強いと見るやさっそく撤退を指示する。
「なに? もう終わり?」
赤いランドセルを背負ったままのミヤに手も足も出ない。タケとタイチは後ろに下がった。油断しているところを襲えば勝てると踏んだのに、ミヤはクラスの女子の中でも最強だ。簡単には陥落しない。
タケとタイチが戻ってきて、ユースケも2人の後を追った。
静かだ。
雄飛は全裸であることを忘れるくらいに集中していた。これは微動だにしないという試練。虚空を見つめて木や岩にでもなったような心境だ。
瞑想をしていると思えば耐えられる。
「うふふ」
「くすくすっ」
静まり返った美術室内に女子の息遣いが聞こえる。彼女たちは隣の級友と顔を合わせてはこの状況に失笑を漏らしたりしていた。
何が可笑しいんだ…?
「ぅ……」
見るな。意識しないほうがいい。雄飛は無心となることを心がけた。笑われているのは自分ではない。
ぴくんっ
少しだけ陰茎が跳ね上がった。お尻の穴に力を入れたからだ。唾を飲み込むのと同じくらい人間として普通の動き。
だが、うら若き乙女たちが見つめる中で、完全に皮をほっ被りしたおちんちんを晒していても興奮はない。眞陽菜の前で脱いだときは、初めてだったから勃起してしまったが、大勢の前で脱いでも平静を保っていられる。
勃起はせずに済んでいた。
女子たちの前で生まれたままの姿を晒しているけど、いい感じに集中できている。全裸だけど心ここにあらずだ。客観的に俯瞰で見られる。全裸なのは自分ではないのだ。
「いま、ちょっとぴくんってなんなかった?」
「小さすぎてよく見えないけど」
まじめにデッサンをしていない女子グループはときどき小声で笑い合った。
女子高生にも性欲はある。男性器をしげしげと見て、人間のオスの生態をじっくりと見たいのだ。社会見学のように安全な位置から捕まえてきた動物を観察する。これと同じだ。
その女子たちに好奇の目で見つめられて興奮しないわけではないが、雄飛の意識は遥か高次元にあるのだ。煩悩を排して女子たちのデッサン技術向上に貢献していると高尚な気持ちで挑むことができていた。
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