女子マネージャーと弱小野球部員くん 試し読み

　今回は毎月２０日投稿の回、特別編です。
　今週末から来週にかけてchubooは簡単な手術で入院となりまして、留守にしています。というわけで今回は友人のゲスト作家様に助けて頂きました。
　商業でアダルトラノベを出版したこともある作家さんで、M男系の作家名はまだありませんが…。ノクターンで長期連載しているダークファンタジー系の人気作家様です。

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　野球部の女子マネージャー、ハル先輩は部室の掃除にやってきた。そこで恥ずかしい恰好で逆立ちをしている小太郎くんと遭遇する。
　スカートが見えるように近づいて勃たせるイタズラを仕掛けて…。小太郎くんは翻弄されていく。

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野球部の部員は１年生２４人、２年生１６人、３年生１５人の合計５５人。女子マネージャーは１２人いる。わたしはその１人――２年生「岡本小春」愛称は「ハルちゃん」１年生には「ハル先輩」と呼ばれてる。

　女子マネの仕事は多岐に渡り、洗濯、掃除、飲み物作り、部員のデータ入力、部費の管理etc.――と数え切れないくらいある。
　正直、花の高校生活を女子マネに――男子の部活の補助に費やすのは「どうかな？」とも思う。多少、内申書の評定がよくなる程度だもの。

　でも、もう辞める機会は失った。１年間頑張ったし、今さら辞めても青春は取り戻せないし、内申書にも色はつかないし。
　だから今日も部室の掃除を始める。部員みんな練習に精を出している間に。時間は１７時３２分。外から聞こえてくる掛け声に耳を傾けつつ思う。
　まずはジャージに着替えなきゃ。

「……あれ？」

　逆立ちしてる１年生部員を発見。名前は確かぁー「小宮小太郎」だったかな？

「小太郎くん罰トレ？なにしたのー？」

　罰トレ――罰トレーニングと言ったら印象は悪いけど、つまりはゲーム感覚の筋トレだ。空気椅子もそう。走り込みもそう。腕立てもそう。まぁ、逆立ちもそう、なのかな？

「あ、朝練……に、遅刻して……」

「そりゃ小太郎くん悪いわー」

　朝練は７時から。１年生は上級生より早く着替えなきゃいけないから、６時３０分には登校している。
　でも、だから遅刻の定義は２つある。７時を過ぎて登校したら、完全な遅刻。言い逃れは出来ない。もう１つは上級生より遅れたら……の遅刻。
　後者の場合は、遅刻となるかは上級生の気分次第。きっと小太郎くんは後者じゃないかな？

「何時に着いたの？」

「６時……よ、４５分……です」

　ほらね。

「逆立ちはいつまで続けるの？」

「……れ、練習の……終わり、まで……」

　つまり２０時３０分まで。小太郎くんは嫌われてるね。その理由を探すか、野球部は諦めなきゃ。ホントに青春を無駄にするよ？

　まぁ、これも青春かもね。小太郎くんの前に立つわたしは、スカートの短いセーラー服。見ようと思ったらパンツも見えるけど、でも見なかったとしても「見ようと思ったら見える」という状況は、けっこう興奮するよね。だから、包茎ちん○も少し勃ちつつある。

　言い忘れたけど、小太郎くんは今――全裸だ。野球部伝統の「全裸逆立ち」の最中だね。逆立ちしてるのに、ちん○は勃つって……なんか不思議かも。

「じゃ、わたしは着替えてくるから、頑張ってね。小太郎くん」

「は、はい……っ」

　女子マネの更衣室は野球部部室の一画にある。一画と言っても、完全に仕切られてるから覗かれることはない。
　ただ、女子更衣室に入るには部室を通らなきゃいけないから、女子からは男子の裸は見放題だ。まぁ、下着まで脱いでることは少ないけど。こういう場合を除いては。

　ジャージに着替えて掃除道具を持って、わたしは部室に戻る。掃き掃除に雑巾掛けに靴磨きに……お昼に取り込んだ洗濯物も畳まなきゃ。