「んじゃ次、私ねっ」
深藍が郁彦の両手を解放し前に回り込む。とたんに郁彦が痛みを中和しようと両手でおちんちんを覆って擦る。紗季は男の子が自分のおちんちんを自分でいじくっている姿を目の当たりにして、僅かに胸が熱くなった。深藍はM字開脚をするように彼の前に座り込んだ。真正面から裸を見られるのが恥ずかしいのか、目の前の敵を回避するように郁彦が身体を背ける。
「こらっ!くにちんっ。こっち向くっ」
「ひっ。は、はい」
怯えながらも郁彦は深藍に身体を向け直す。しかしまだ斜に構えた感じだ。
「両手は?」
深藍が尋ねると郁彦は解っていると言わんばかりにおずおずとバンザイして見せた。
「よし。いい子」
深藍は笑顔になる。
「愛衣乃ー麻理璃ー」
そして後ろの2人に呼びかけて愛衣乃と麻理璃がそれに応える。郁彦の両サイドに回り込み、郁彦の足を片足ずつ持ち上げようとした。左足を愛衣乃、右足を麻理璃。足を持ち上げられ、郁彦は慣れた様子で両手を彼女たちの首に回した。幼児がおしっこをさせられるような格好になり、郁彦の顔がさらに真っ赤っ赤になる。
「思いっきりいくからねー」
郁彦は怯えきっていたが、おちんちんの方は深藍と正面から向き合い臨戦態勢を取った。小さくて弱々しい勃起だけど勇敢なおちんちんだ。しかしすぐに絶望の表情へと変化する。
深藍の親指と小指が、ドM字開脚した郁彦の太ももの裏…、足の付け根辺りに三脚を作る。右足に親指が、左足に小指が固定された。深藍は右手・中指を左手で引き曲げる。手の甲側へだ。レバーでも引くかのように倒して、靭やかに指が曲がっていた。柔らかい指だ。常人の2倍は反り返っているだろう。少しでも威力を高めようと限界まで甲に近づく。ゴムパッチンの要領で、指をギリギリと後ろへ引いていく。左手で作ったタガが今にも外れそうで、それは海底プレートがずれようとしているようでもある。地震の起きるメカニズムを思い出した。アレが外れたら大地震となるのだ。
「ひっひぃぃぃ」
郁彦の表情が恐怖に歪む。
…。
よく考えたら、彼は何でこんな罰を受けなければいけないのだろう?
「スリー」
深藍がきれいな発音でカウントをとった。
「ツー…」
息を呑む。録音をしているわけでもないのに、ワンの部分は口にせず、みんなが心の中でカウントした。静寂が訪れる。ギリギリと拮抗していた深藍の指のタガが外れていった。
ゼロ。
勃起したおちんちんは、少しだけ皮が剥けて亀頭がほんの少し顔を覗かせている。平和に暮らしていた、無邪気で可愛らしい蕾目掛けて、深藍の中指が急襲する。ムチのようにしなって高速で射出された。
パッチィィィンッッ!!!
「んぎゃっ!!!!」
至近距離で打たれたおちんちんはおへそまで吹っ飛ばされてパチンッと音を立てて跳ね返る。可哀想に。ロープまで吹っ飛ばされて跳ね返り、膝から崩れ落ちる。完全にKOだ。
紗季の頭の中でゴングが鳴っていた。
「ふぅ~。次は紗季ちゃんの番。くにちん嬉しそうだから遠慮せずに思いっきりやってあげてね」
「…え?こんなに痛がってるのに?」
「ん、いつものことだし」
そうか。彼はいつもこんなことをされているんだ。郁彦はよだれを垂らしてはうっはうっと息を漏らしていた。情けない顔だ。男ならどんな逆境でも跳ね返してやろうという気はないのか?
紗季はこんな弱い男子の情けなさに呆れて、手にグッと力を込めた。私が根性を叩き直してあげなきゃ…。
「…ぁれ?」
しかしおちんちんを見て気が変わる。おしっこの穴から透明な液体が溢れ出てきていた。ゆっくり、とろりと滴って床に落ちる。女子4人はそれを見届けてからクスクス笑い出した。
「ほらね?」
おちんちんがヒクヒクと犬が尻尾を振るように動いた。
「めっちゃ喜んでるね」
「最近では一番の喜びようかもな。これは」
ときどきビクッとおちんちんが跳ねて愛液がさらに溢れ出てきた。
「ふぅ」
ひとしきり笑って気が抜けた紗季は、この愛すべきパンチドランカーに対して指で軽く輪っかを作り、おちんちんの前に掲げる。
軽くピンッとおちんちんを弾いてやった。情けないおちんちんは、ふわりと宙を舞い、ゆらゆらと前後に揺れながら喜んでいた。
「もうっ駄目な男子っ」
紗季は呆れ顔で微笑んだ。