格闘技ブームで好きだったのがヒョードルと藤田和之の一戦です。けっこういいところまでヒョードルを追い詰めたんですよね。

　ヒョードルはめちゃくちゃ強かった。そのヒョードルをラッキーパンチ気味ではあったけどグラつかせて追い込んだのは熱くなりました。格闘技ブームって去るの早かった気がします。ちょっとさみしいです。

　今は素人の殴り合いイベントみたいなのが流行ってるんですか？ おじさんにはよくわかりませんが、どこらへんがおもしろいイベントなんだろう。見たこともないので純粋によくわからないのです。

　今回は毎月２０日投稿の回です。

　コメントに突き動かされるchubooの妄想小説。格闘とアダルトが融合された近未来の地下格闘技は超過激です。パンツ剥ぎデスマッチで一夜にして地位と名誉を得る者、すべてを失う者に分かれる壮絶なお話。人間の業は深いですね。

☆ファンティア毎月２０日２０時更新分「真剣勝負！ パンクラウス　〜パンツ脱がし合い地下格闘技で〜（３） 試し読み」試し読み

「あ、負け犬じゃん」

　春日井春香（かすがい はるか）は思ったことをすぐ口に出してしまう性格だ。学習室を出たところで、話題の人物・嵐山新志（あらしやま あらし）と偶然にも遭遇した。

「な…っ」

　廊下に木霊する春香の声。ゆるふわのショートヘアで目が大きく、短いチェックのスカートにブラが透けるくらいの薄手のポロシャツ姿。その紺色のスカートは本校の正式な制服である。そのひらひらしたスカートから伸びた太ももが眩しい。よく鍛えられていて丸太のようだ。

　新志は立ち止まってどぎまぎと春香をチラ見した。へらへらしていて、中学時代に陸上競技の王者だったという風格はゼロに等しい。

「オーラゼロだねー」

「な… なんだとっ」

　新志は憤慨した。風格ゼロのやつにオーラゼロだと言われるのは心外なのだ。あれだけ天舞音（あまね）戦でボロ負けしたにも関わらず、未だにプライドは持ち続けているようだ。

「だって背中丸めてこそこそしてる感じだし、それにあんな負け方っ。ちんちん丸出しにされてっ。ぷっ。堂々と歩くの恥ずかしくない？」

「な、な…、なんだ、お前っ。ケンカ売ってんのか！」

　試合以外では髪を下ろしている新志。ロン毛をなびかせながら、険しい顔で春香を凄んだ。たまたま廊下を歩いていただけなのに、いきなり同級生の女子に罵られたとあっては黙っているわけにはいかない。

　天舞音に試合で負けたが、だからと言って他の女子に舐められるなんて沽券に関わる。

「いやケンカって言うか、ごめんごめんっ。あっはっはっ。なんか思ったことすぐ言っちゃうんだよねー、あたし。直そうと思ってんだけどなかなか直らないもんだわ」

　線は細いのにごはんをたくさん食べるタイプの春香である。豪快に笑って謝った。

「チッ。なんだ、それ。ちゃんと謝れよ！ 男を侮辱しておいてごめんで済まそうなんて、格下の癖に調子乗ってんじゃねーぞ！」

「だからごめんって謝ってるじゃん。あっはっはっ。やだ、小さいなー。器が小さいなー」

「てめぇ…」

　天舞音との試合以来、新志は苛々することが多くなった。

【本編に続く…】

　本編は有料ですがこちらから