「香坂 真由です。よろしくお願いします」
今日から新しいバイトが入ると聞いていた。先日辞めていった人の後がまということだろう。
「よろしくね。こっちは一緒にホールやってもらう森宮くんよ。1年以上やってるベテランだから解らないことはなんでもききなさい」
店長がはじめに挨拶をしてその後に俺が紹介された。紹介されている最中にお客の来店があって俺はその場を離れる。
香坂はとても大人しそうで真面目を絵に描いたような娘だった。控えめなリボンで後ろ髪を結び地味な眼鏡を掛けている。黒髪は漆黒とも言えるほどで全体的に暗い。バイトの経験はないようだったし、おどおどした態度から、あまり長続きしそうにないなと思った。
「いらっしゃいませ」
声も小さくて全然通らないし、まったく使い物にならないのではないか。まあ初日だしもうしばらく様子見か。店長もなんでこんな接客業に向いてなさそうな娘を採ったんだ?
俺は少し冷たすぎるくらいの態度で香坂に接した。一応一通りの業務は教えてやった。だが返事は小さく解ったのか解らないのかハッキリしない様子で困っているようだった。
そして数日が過ぎたあたりから少し様子が変だと気付く。俺は昼間は他の用事で来られないが香坂は朝から夕方まで働いている。ある日俺が出勤したときのことだった。ちょうど客の切れ間で店長と香坂が楽しそうに談笑していたのだ。あの表情の乏しい香坂にしては珍しいと思った。俺が来たことが解ると、なんというか空気が少し変わった。談笑が中断したのだ。まるで俺のことを話題にでもしていたみたいに。変だと思ったが気にしないようにして俺はカウンターの奥へ入って着替える。
いつの間にか香坂は仕事に大分慣れてきたようだ。ほぼ毎日入っているし週4で忙しい時間帯に来ない俺よりも場慣れしていっている風でもある。
「森宮さんてお客さんの顔、全然覚えないんですね」
「ん?」
「今、森宮さんが持っていったお水ですけど、あのお客さんは始めに持っていったお水はすぐに飲み干しちゃうじゃないですか?」
「ああ、それがどした?」
「始めっから2つ持っていった方が効率よくないですか?」
「…ああ、そんなことか。バカだな。客のオーダーにないことはしなくていいんだよ。むしろ余計だと思う客もいるんだから、気を利かせたつもりが悪く出ることの方が多い」
「そうですか」
その常連客のオヤジは毎回注文を取っている間に一気に水を飲み干すのだ。注文はいつもホットと言うだけでそれ以上は何も言わない。俺は後から水を注ぎ足して回るときに一緒にやるようにしていた。
だが香坂は始めに2つ分の水を持っていっては?と提案したことを勝手に実践するようになった。まったく余計なことはしなくていいと言ったのに。気難しそうなオヤジだから怒られてこればいいと思っていた。
ところが怒られるようなことはなく逆に店長に効率が良いと褒められているではないか。例のオヤジも文句を言うことなく珈琲のおかわりまで頼むようになった。それも決まって俺ではなく香坂を呼び止めて注文するのだ。なんとなくおもしろくない。
「もう、何やってるんですか、森宮さん」
他にも俺のオーダーミスを必要以上に糾弾したり効率の悪さを指摘して改善案を提案して店長に褒められていた。
「次、13番さんにこれ持っていってください」
「お、おう」
土日なんかで忙しくなってくると香坂は遠慮せずに俺に向かって指示を出して来た。いつの間にか俺を顎で使っているではないか。
店長は香坂の方が優秀だし物覚えも要領もいいと思っているのだろうな。直接言われないまでも態度に出るものだ。香坂なんかは年下の癖にあからさまに俺のことを使えない奴扱いしてくるのだ。
俺はなんだか悔しくてささやかな逆襲をしてやることにした。男を嘗めるとどんな目に遭うか思い知らせてやる。とは言ったもののヘタレな俺がやった逆襲とは、香坂をおかずに使ってやることだった。
休憩の時は奥の小部屋を使うのだが、小部屋と言ってもカーテンで仕切っただけの雑然としたスペースである。以前に隠し撮りしておいた香坂の写メを使ってやる。ゆっくりとズボンとパンツを脱いだ。
休憩中は誰も入ってこないし店も忙しくない。これならバレずに妄想の中でメチャメチャに犯してやれるぜ…。
妄想の中で店長は居らず、俺と香坂だけの時間帯。都合良く客はパッタリ途絶えて閑散とした店内。俺はカウンターの中で下半身裸になり、香坂はホールで掃除かなんかしている。下半身丸出しの俺がいることにも気付かずにのんきに棚の拭き掃除なんかして、間抜けめ。
…ん? なんだかあまり逆襲している気がしないな。これじゃ間抜けなのは俺の方だ。よし、カウンターの中で犯すか。
「香坂、ちょっと中に入ってこいよ」
「はぁ、何ですか?」
香坂真由はのろのろと面倒そうに入ってくる。俺は距離を詰めて香坂の腕をとった。
「ひゃ…」
香坂は俺がちんちん丸出しなのをすぐに気がついた。息を飲むような悲鳴。俺は香坂をカウンターの奥へ引き摺っていって押し倒した。床に両肩を付けるようにしてのしかかり、
制服を乱暴に脱がせにかかった。香坂は大きな悲鳴を上げることなく声を押し殺して抵抗した。軽蔑の眼差しを俺に向ける。ふふふ、せいぜい抵抗してろ。所詮女の力なんて男に敵う筈がない。スカートのホックを外し、ボタンが弾け飛ぶようにシャツを強引に裂いて胸をはだけさせる。大人しそうでいておっぱいは大きいじゃないか。
「お前なんかめちゃめちゃにしてやっからな」
「くっ…」
香坂は歯を食いしばって抵抗を続けた。女の癖にいままで散々バカにしやがって。俺は香坂の飾り気のないパンツを脱がせにかかる。楽勝だぜ…。
香坂はパンツを脱がされている間、何かを拾ったようだ。
「へへへ。待ってろよ。ぶち込んでやっからな!」
俺のちんちんは既に大きく、硬くして準備していた。香坂の白い柔肌が気持ち良さそうだ。両足首を掴んで思い切り広げてやる。香坂の恥ずかしい部分がしっかりと見えた。陰毛が薄く、割れ目がしっかりと露出している。俺はちんちんを香坂の股間に近づけていった。泣いて許してくださいって言うまで突いてやるからな。
と、そのとき香坂は上半身を起こして右手を俺の股間へと伸ばす。手に何か持っている。カチッと音がした。俺が認識するよりも早くその炎は一気に煌めいた。
チャッカマンを使ったのだ。キッチンに常備してあるものだがさっき暴れたときに落ちてきたのだろう。それを俺のちんちんに対して躊躇することなく点火した。
「アッツッ!」
俺は香坂の両足首から手を離してちんちんの防衛に回した。香坂が起き上がって思い切り俺の胸を突いてきた。踏ん張りが利かずに俺は後ろへごろんと倒されてしまった。
くそっ…。ちょっと油断しただけだ。間髪を入れずに香坂は何かを拾い上げた。厨房を掃除するためのポリバケツだ。それを思い切り振りかぶって俺の顔めがけて振り下ろす。
パコーンッと俺の顔面にポリバケツがヒットした。ポリバケツの癖にめちゃめちゃ痛い。
「はグぁ…」
歯が折れたのではないか…。血の味がする。俺は両手を顔面のケアに回した。両手で顔を覆って痛みを堪える。
「このっ!」
香坂が俺に向かって走ってきた。え? 妄想の中なのに… なんで俺がやられてんだ? 下半身丸出しの香坂は左足を、下半身丸出しの俺の開いた股の間に着地させた。勢いに任せた右足が高速で振り抜かれる。サッカーボールでも蹴るような美しいフォームだった。
パァーーッン!!
蹴られたボールはしかしサッカーボールではない。俺の大事なちんちんだった。2個のボールが見事に下から突き上げられた。
「へグァー!!」
俺は痛みに耐えられず狭い厨房を転げ回る。
「ふんっ。仕事もできない癖に。最低」
香坂は蔑んだ目で俺のことを見下ろしていた。妄想の中の筈なのに俺は女に負けてしまった。なぜだ? しかもこんな屈辱的な負け方…。
俺はぐっしょりと濡れたちんちんをティッシュで拭って静かにズボンとパンツを履き直した。なんとも情けない姿である。