格闘技ブームで個人的に１番熱かったのがマーク・ハントです。情熱的ですよね。ノーガードで殴られながら相手を一発KOするところとか。

　五味隆典が連戦連勝で乗りに乗ってるときとか、桜庭和志がグレイシー一族を狩ってたときとか、ヒョードルが無敗を誇っていた時代が好きです。中でもマークハントはあの体型だけど、サモアンフックで相手選手をぶっ倒すシーンは感動しました。ノーガードでレイセフォーと笑いながら殴り合った試合も好きですが、やっぱりKOで勝ってる試合の方が燃えますね。

　今回は毎月２０日投稿の回です。

　コメントに突き動かされるchubooの妄想小説。格闘とアダルトが融合された近未来の地下格闘技は超過激です。パンツ剥ぎデスマッチで一夜にして地位と名誉を得る者、すべてを失う者に分かれる壮絶なお話。人間の業は深いですね。

☆ファンティア毎月２０日２０時更新分「真剣勝負！ パンクラウス　〜パンツ脱がし合い地下格闘技で〜（１） 試し読み」試し読み

『俺が最強だ』

　嵐山 新志（あらしやま あらし）は精神統一を終えた。直後に試合開始のブザーが鳴る。目を見開くと同時に新志はリング中央へと踏み出した。

　ワァァアー

　歓声が聞こえた。急に煩いと感じる。裏を返せば何も聞こえない程に精神集中していたのだ。コンディションは最高と言える。

「タァー！」

　対戦相手の天ノ川 天舞音（あまのがわ あまね）だ。キンキンした甲高い声、でもレモンケーキのような甘酸っぱさを感じる。清涼感のある音だった。

　これが女子の気合か。弱い。あまりに弱々し過ぎる。思わず侮ってしまいそうになる。否、自分には微塵の油断もない筈だ。この学園には入学式の日に男性機能を破壊され、病院送りになったやつが居たことを忘れてはいない。油断は命取りになる。

　この女は強い。

　豊作と呼ばれている今年の新入生の中でも西の一角を支える大黒柱である。

「せおりゃああ！！！」

　新志はボクシングと柔道をバックボーンに持つ総合格闘家だ。長髪はオールバックにして固め、硬い筋肉を隆起させ唸らせる。

　飛び込んでくる天舞音。その姿を見て新志の身体が素早く反応した。

　胴回し回転蹴り。

　初手は決めていなかったが、不用意に突進してくる天舞音に最適の技だと思った。そうそう決まることのない大技だ。

　タイミングがぴったり合って、新志の鋭いアナコンダの牙が天舞音の頬にヒットした。手応えありだ。

　ゴッ

「きゃああ！？」

「いやー！？」

　会場から悲鳴が上がった。

　小学校の体育館程度の狭い会場に２００人以上の女性が詰め掛けていた。リングの四方を囲うように人垣が出来ており、体育館の２階席に数名だけVIP席が用意されている。

　観客は女性だけなのだ。

　異様。

　その一言に尽きる。

「ぁく…」

　天舞音はスタンディングのまま一瞬の意識の途切れを感じた。ほんのゼロコンマ何秒間、視界から新志が消えてしまったのだ。新志だけではない。世界が真っ白になった。喰らった後、１秒後に視力が戻ったが、脳が揺れたのかぐらりと世界が歪む。

　相手が寝転んでいる内に回復を図るしかない。

「攻め込んでこねぇとこ見るとダメージあったみてぇだな」

　新志は寝技対決になることを見込んでいたがどうやら回避できたようだ。ローキックで蹴っても来ない。ダメージを与えることが出来たのだ。

「いくぞ」

　慎重に立ち上がって正対する。

　天舞音は目を細めていた。真っ白いブリーフ姿の新志に対して、天舞音は淡い水色の下着姿。

【本編に続く…】

　本編は有料ですがこちらから

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