裸のまま賃貸マンションの自室のドアを開けて外の景色を眺めると気持ちがいいのです。ドキドキ感が堪りません。

　よくやる遊びシリーズの一つですが、まず全裸になりまして。自室のドアを開け放つんです。僕の場合は築古の１４階でした。眺望がいいのです。

　同じフロアの住人は６世帯くらいでしょうか。エレベーターでいつ上がってくるか解りません。気配を察知したら扉を締めますが、夜だったらまず誰も来なかったですね。裸になってベランダでもOK。全裸のまま外の空気を感じて「外に居る感」を味わうのです。まあ小さい遊びです。

　普段はドアを閉めっぱなしで、誰が来ても開けない主義なのですが、真夏のある日、寝起きでパンイチのだったときです。暑くてドアの隙間を少し開けていたのです。風の通りを良くするために。まあ誰も訪ねて来ないだろうとタカを括っていたら、風呂の排水溝の点検をするだとかなんとかでおっさんが来ました。居留守も使えず普通にドアを開けられてしまいました。油断してる姿を見られました。……なんか屈辱でした。

　ファンティア月イチで投稿の２回目は、旧作『一年戦争で』のセルフリメイクになります。女子と男子がケンカを始めてエスカレートしていくお話で、リメイク作では無秩序な戦争を「かくれんぼ＋どろけい」でゲーム化してスポーツのように戦います。脱がし脱がされて、CMNFも入ってきますが、最終的には男子全員CFNM展開です。
　22年10月10日に初回投稿しました。２回目は労働のおかげで更新が遅くなりました。すみません。初回と今回で１話分となります。１話無料公開で、来春には絵師さん参加でKDP出版予定です。

☆ファンティア毎月１０日２０時更新分「女子VS男子！５年２組大戦～ウチのクラスの男子って弱っちいから全員すっぽんぽんにしてやろうよ♡～　第１章　春（１）」その２試し読み

1.3　＊ピーチ

「愚図な子…」

　ふんーーっと鼻息で大きな溜息を吐くのは、縦ロール金髪がよく似合う、ジト目美少女だった。地主のお宅の庭に特製のディレクターズチェアを置いて、足を組み、ふんぞり返っている。背後には私設のボディガードの女性が二人。キャンプ用の簡易テーブルの上に飲み物とお菓子、そして携帯扇風機がある。

　彼女こそは女子軍のリーダー、コードネーム：ピーチ姫である。彼女の周り囲むようにスマホとタブレットが６機並べられて、戦況をモニターしていた。

「今日のゲームは負けですわね」

　ピーチは苺が戦死した段階で自軍の敗退を確信していた。諦観しているわけではない。自軍の戦力と相手の戦力を冷静に分析すればこそ、始めから勝てる見込みは少なかったのだ。

　苺とホークの取り組みは特に筋が悪い。女子軍の敗因は苺がホークに見つかったこと。戦犯は苺… お仕置きを考えておこう…。

　それにしても、どうしてホークが苺を簡単に見つけたのだろう？いくら見込みのある作戦を立てていても、これでは勝てるものも勝てない。何かカラクリがあるのだろうか？

「ピーチ様ぁ。苺ちゃんがあっさり負けちゃって…。申し訳ございませーん」

　コードネーム：ブルーベリー。いつもピーチの側に居ることが多い、ツインテールのよく似合う小柄な女子だ。あからさまに謙る態度は金魚のフンと揶揄されることもあるが、しかし優秀な兵士である。

「あとは負け方よねぇ……。今日は情報収集に終始してくださる？制限時間いっぱいまで引き伸ばしなさいな」

「はいっ。わかりましたぁ」

　敬礼をして背筋を伸ばすベリー。指示をもらった彼女は嬉しそうにピーチの側を離れた。女子軍の面々は縁側に雁首を並べて座っているのだ。中間管理職よろしく、ベリーの仕事はピーチの意思を女子軍に行き渡らせること。

「みんな！ピーチさんの命令だよ。なんでもいいから男子軍の情報を持ってきて。どんな些細な情報でもいいからグループチャットのほうに送っといてね。あたしも今からサグリに行ってくるね」

　ベリーはそう言うと、いの一番に庭から飛び出していった。彼女には始めから密偵するように命じてある。ツルペタの癖にハニートラップが得意技なのだ。

　ピーチは後ろの私設警備員二人に「帰る」と告げた。黒い服にサングラスのグラマーな女性たちは、テキパキとイスやテーブルを片付け離脱の準備をする。ピーチは既に桃色にカラーリングされた派手な車に向かっていた。高級外車である。

「作戦を練り直さなきゃ… どこから手を付けたものですか」

　今から塾に行って勉強をしないといけないが、女子軍のリーダーを務めている責任は一応感じている。大戦なんて本当は興味ないが、就任したからには軍を勝たせる必要がある。それが帝王の務め。ウチの学級委員長がもっとしっかりしていれば手を出すこともなかったのに…。あの子が不利な条件を呑んだから…。負ければ男子軍の言うことを何でも聞かなければならないという条件を突きつけられたら、もう黙っていられない。それだけは民の上に立つ人間として受け入れ難い。

「全員裸にひん剥いてやりますわ」

　どうあれ、自分が参加したからにはすべて思い通りにしないと気が済まない。ピーチはにまぁぁと口元が緩んでいた。

　世の中の肥やしでしかない泥糞人形（男子）たちに平和・正義・秩序というものがどういうものかを教育してやらなければならないのだ。

【本編に続く…】

　本編は有料ですがこちらから