プロレスの仮面剥ぎデスマッチってありますよね。趣向を変えてパンツ剥ぎ取りデスマッチにすれば女性客倍増ですよ。

　プールでの思い出と言えば学校ではないのですが、スイミングスクールで知らない男子と知らない男子がいきなり取っ組み合いを始めたことがありました。更衣室で僕が着替えている背後で騒いでいたので、何かと振り返ると先の二人が取っ組み合いですよ。片方がもう一方の水着を引っ掴んで脱がしにかかっていたのです。彼はもんのすごい抵抗をしていたのですが、あえなく脱がされみんなの前でフルチンです。

　僕は初めて見た『負けてパンツを剥ぎ取られる惨め男子』に、こんなことが起こっていいのかと衝撃を覚えました。『スイミングスクールウォーズ』の原点ですね。プライドをかけて戦って負けて恥をかかされる惨めさ。ほっこりします。

　『プール掃除で』は今回で最終回。次週からは… と行きたいのですがお盆前ということもあって本職の忙しさがラッシュを迎えておりまして。緊急回避的に１回お休みします。土曜も日曜も働くことを要求される嫌な世の中になりましたねぇ……。次回は８月１３日から再開します。初秋が近づいてくるので全裸スポーツテストの話にしようと思います。よろしくお願い致します。

☆ファンティアの毎週土曜１８時更新分『プール掃除で（８）』試し読み

　唯一の解決策、それは俺が狂気に魅入られること。

「これが俺のケジメの付け方だ！お前らはプールから離れて早く教室に戻れ！ヒヨコがこの場から立ち去るまで俺は頭を下げ続けるぞ！！」

　もう変なやつと思われてもどうでもいい。この勃起おちんちんがバレないようにするためにはコレしかないぞ！

　俺は土下座の姿勢で身体を折り曲げたまま地面に向かって叫んだ。

「俺にこのまま謝らせろ！！お前ら行け！」

「な、なに…？」

　アンコもさすがに俺の意図を測りかねているようだ。だが望み通り俺はヒヨコに対して全裸土下座をしてやったのだ。もうこの場に居残る理由など誰にもないはず。頼むからみんな立ち去ってくれ！

「もういいじゃん。水撒きも期せずして終わったし」マリリンは言い残して放水の蛇口を締めに向かった。「あなたたちも掃除道具片付けて！先に教室に戻るわよ」

　言われたトンタたちも宴の終わりを感じて大人しく従ったようだ。というか男子たちは俺のただならぬ空気感に何かを感じ取ったのだろう。同じ男子として！

「もう行こ。ヒナ」

「ひぃん」