「返して欲しい? 駄ぁ目! オナニーの続きやりなよ。見ててあげるから」
俺はりんごを半分だけ齧って後は皿に戻した。そしておちんちんを隠せるものを目で探す。姉の言いなりになるものか。俺はもぐもぐと口を動かした。この危機的な状況でりんごを食んで嚥下するのはいささか間抜けではある…。目の端に枕が映った。俺は迷わず枕に手を伸ばしてそれでおちんちんを隠した!
「あぁ」
姉は残念そうな顔をする。多少枕カバーが汚れてしまってもこの際仕方がない。
「しょうがないなー」
「出てけよっ! このバカ!」
「バカはあんたでしょ!」
姉は掛け布団を床に放って手放す。そして枕を奪いにかかる。
「なっ! コラヤメろ!」
枕を掴まれる。俺と姉の間で綱引きが始まった。力勝負だ。さすがに力で女なんかに負けるわけにはいかない。
「くっ…」
「むぅ…」
汚れた右手を使ってしまいそうだったが枕カバーををこれ以上汚したくない。左手だけで戦う俺の方が辛うじて優勢だった。だが徐々に両手で奪いにくる姉の力に圧され始めていた。中腰なのがいけない…。でも力が入りにくいなんて言い訳できるかよ…。
「くそぅ」
枕は取られないものの姉の方に枕が引き寄せられる。結果的に俺の股間の辺りはがら空きになっていて結局右手でおちんちんを隠すしかなかった。
「離せっ」
「諦めたらっ?」
姉が枕を上下左右に振って引っ張る。するりと俺の手から枕が離れてしまった。
「あぁっ」
枕を奪われてしまった。姉は勝ち誇った笑みを浮かべ、枕を掲げて見せた。
「くそぉ…」
俺は背を向けて布団の上にぺたんと座り込んだ。もう身を隠すものが周りにない。
「もういいだろ! いい加減出てけよ!」
泣きそうだった。人の弱みにつけ込むのが得意な姉がこれで終わりにしてくれるとは思えない。きっと俺が泣き出すまで続けるだろう。昔からそうだった。
「あんたまだ勃起してんじゃん? 私に構わず続けなって」
「くそ…。本気でお前バカだろ…」
「なに我慢してんの?」
ベッドが軋んだ。姉がベッドの上に乗ってきたようだ。出てってくれる気配はまったくない。
「手伝ってあげよっか?」
「ちょっヤメろって…」
姉が後ろから抱きつくようにして俺の両腕を掴んできた。おちんちんを隠す両腕はバンザイをするように持ち上げられてしまった。
「あははっ見ぃえたっ」
未だに小さくならず勃起し続けるおちんちんが露出してしまう。背後から覗き込まれて俺は内股になる。身内に痴態を見られて、そっとしておいてくれないのは悲惨だ。
恥ずかしさは頂点に達した。それなのにおちんちんはエッチな雑誌を見ていた時より硬くなっているようだ…。
「ビンビンだね。しこしこ手伝ってあげるって」
耳元で息を吹きかけるように囁く。悪魔の囁きのようだ。そんなことしてはいけないと俺の良心が叫ぶ。顔を真っ赤に染めながら俺は目を閉じる。姉が俺の顔を覗きこんでくるのが解るからだ。顔を見られたくない。俺は自然と身体を前傾させて顔もおちんちんも隠せる体勢をとる。
「出てけよ…」
絞り出した声は力なく情けない声だった。姉が背中に伸し掛かる。背中に小さなおっぱいの感触があった。むにゅっと布越しに柔らかさを感じて俺は耳まで真っ赤になるのを自覚した。
「んふふぅ」
「や、やめろ…」
「何をやめるの?」
「離れろよ…」
俺の声は小さくなるばかりだった。
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