檻 -ガールスカウトの実態- 檻 -ガールスカウトの実態-(3.6)試し読み 「何をやっているのッ もう!!」 つかつかとお母さんが近寄ってきた。僕のSOSが通じてお母さんは小桜さんを止めてくれるんだ…。 助かった。そうか、さすがにやっぱり変だよな…。僕はもうS6なんだ。いつも顔を合わせてる同じクラスの女子だって近くに居るのに全裸で川遊びしなさいなんて、やっぱり母親ならちゃんと止めてくれる………。 2022.11.03 檻 -ガールスカウトの実態-
檻 -ガールスカウトの実態- 檻 -ガールスカウトの実態-(3.5)試し読み すぽんっ びっくりしすぎて自然にTシャツは僕の身体から離れていった。ついでに帽子が一緒に脱げてしまう。 「ぁ…」 「お兄ちゃんなんだから後は自分で脱げる? それとも自分一人じゃ脱げないか?」 小桜さんには僕がヨーイチよりも一個上くらいの感覚なのだろうか。まるで裸になるのが自然なことみたいに扱ってくる。 どういう感覚なんだよ! 2022.11.02 檻 -ガールスカウトの実態-
檻 -ガールスカウトの実態- 檻 -ガールスカウトの実態-(3.4)試し読み 「わかったら脱ぐ。S学生の内は女子だってあんたらの裸なんて興味ないんだから」 「ぇと」 じわりとヨーイチの手に汗が滲む。いや、僕の手の汗かも知れない。ヨーイチが強く握り返してきて負けるなって言ってくれてるのが解った。でも僕には言い返す術がなくて…。 2022.11.01 檻 -ガールスカウトの実態-
檻 -ガールスカウトの実態- 檻 -ガールスカウトの実態-(3.3)試し読み 僕は入れ替わりに岩場へと座って、やっと腰を落ち着けた。日はまだ高いし、お昼もまだまだだ。一仕事したら、なんだか腹が減ってきた。 「おーい、ケンタ。あんたも遊んでいいよ。川入りなよ」 リンちゃんたちと入れ替わりに小桜さんが歩いてきた。重要な井戸端会議が終わったようだ。 「あぁ、はい。…でもいいです。ちょっと休みます」 「子どもなんだから何を遠慮してんの? 遊びたいんでしょ? ほら裸になってあんたも飛び込みとかしーや?」 2022.10.31 檻 -ガールスカウトの実態-
檻 -ガールスカウトの実態- 檻 -ガールスカウトの実態-(3.2)試し読み 「あ、いた」 佐々木さんがテントの設営を指揮していて、その他の大人三人はまたしても井戸端会議中だ。嫌だけど近づいていく。 「あら終わった?」 お母さんがいち早く気づく。 「うん」 「あ、ちょっと。報告はいいからチビたちから目を離さないで」 「ぇ…」 2022.10.28 檻 -ガールスカウトの実態-
檻 -ガールスカウトの実態- 檻 -ガールスカウトの実態-(3.1)試し読み 「そいでね、ほんでね…」 ベースキャンプに戻ってみると一部の女子たちは輪になってだらだらと駄弁り、一部の女子はテントの設営をしていた。 「次のテント来た」 「チビちゃんたち乙〜」 「えらいね〜」 2022.10.27 檻 -ガールスカウトの実態-
檻 -ガールスカウトの実態- 檻 -ガールスカウトの実態-(2.5)試し読み 「移動ってどれくらいですか?」 「200メートルくらいじゃない? すぐ近くよ」 本当に、意外と近いな。わざわざベースキャンプを移動する必要なんてあるのか? しかし実際に歩き始めたら200メートル以上はあると思った。いや、けっこう距離あるぞ…。だいたい500メートルくらい移動したところで開けた場所に出る。ここが目的地か。 川幅が広くて水は透き通っていた。ゴツっとした大きな岩と背の高い木々が立ち並んでいる。比較的手つかずだが、何度かキャンプで使われている形跡があり、穴場って雰囲気だ。 2022.10.26 檻 -ガールスカウトの実態-
檻 -ガールスカウトの実態- 檻 -ガールスカウトの実態-(2.4)試し読み 「じゃあ移動するからね!」 佐々木さんが号令をかけていた。 「荷物は自分のだけしっかり持ってってよ。比較的軽いものは大きいお姉ちゃんたちが持って! 重いものは男の子たちが持ってくれるからちゃんと置いておいてよッ。持たなくていいから。男の子にもちゃんと仕事を与えるのッ」 2022.10.25 檻 -ガールスカウトの実態-
檻 -ガールスカウトの実態- 檻 -ガールスカウトの実態-(2.3)試し読み 「もう移動するから服を… まあいいや、面倒だからそのまんまで。近いからここまま移動するよー」 「わかった」 「はあい」 え? 服を着せないの? 僕は不思議に思った。子どもだからってぞんざいな扱いだな…。 僕はなんとなく小桜さんを手伝おうと2・3歩だけ近寄る。あんまりやりたくはないんだけど…。何をすればいいか解らないし。 2022.10.24 檻 -ガールスカウトの実態-
檻 -ガールスカウトの実態- 檻 -ガールスカウトの実態-(2.2)試し読み 「次の鬼はアカネちゃんね」 「え、違うよ。ミキちゃんが最初に捕まったんだからー」 「ねえ。集合かかってるから急がなきゃ」 「ぷぷぷ。あたしだけ? 一回も鬼にならなかったの?」 また別の方角から四人組の、これも同じ制服を着た女子たちがきゃっきゃと走ってきた。鬼ごっこでもしていたようだ。 2022.10.21 檻 -ガールスカウトの実態-