虐待

檻 -ガールスカウトの実態-

檻 -ガールスカウトの実態-(9.3)試し読み

 バチンッ!  バチンッ! 「きゃぁ… うわぁ、かわいそー」 「痛いっ」 「ひぁ…」  S3のサヨリちゃん、ヤヨイちゃん、ツムギちゃんは単純に怖がった。見せしめの罰としてなら成功だが、ただ単に怖がらせたら駄目じゃないか…。ヤヨイちゃんは共感性が高いのか痛がっているし、ツムギちゃんは泣きそうだ。サヨリちゃんも両手で目を覆っている。
檻 -ガールスカウトの実態-

檻 -ガールスカウトの実態-(9.2)試し読み

「それじゃあねえ、まずはお母さんからお言葉があるそうです。どうぞ鈴木さん」 「はい、ありがとうございます」  あの女がふらりと歩いて、佐々木さんの代わりにみんなの前に立った。自動的に僕は嫌だけど横に立たされるかたちとなった。 「鈴木ケンタの母親でございます。この度は皆さんの夏のキャンプを台無しにしてしまい、本当に心からお詫び申し上げます。本当に本当に申し訳ございませんでした」  しおらしく女が頭を下げて、そいつは僕の頭を後ろから押さえつけ、一緒に頭を下げさせた。カシャリ、カシャリと音がする。写メを撮られているらしい。まるでリンチのように頭を下げさせる記者会見のようだ。
檻 -ガールスカウトの実態-

檻 -ガールスカウトの実態-(9.1)試し読み

「とにかくまずは下ろしましょう」  罰は終わりのようだ。小桜さんが率先して木の枝から縄を外し、僕を下ろした。そして複雑に絡んだ縄を解き始めた。 「さあ歩いて」  僕を解放して連行する。逃げ出したいが、足が痛くて無理そうだ。腕の筋肉も思うように動かないし…。
檻 -ガールスカウトの実態-

檻 -ガールスカウトの実態- 第1話

 これは僕が小学6年生のときに実際に体験した話だ。  同級生の女子におちんちんを見られてしまうという、僕の青春を真っ黒に染めた最初の1ページ目だ。これがきっかけとなって僕の人生はゆっくりと沈んでいったんだ。  かの有名なフェミニストは言った。「男子は全員キモいオタクになってアニメキャラでしこしこ抜いてれば、女子はみーんな安心できるのにねぇ♡」  後にその言説を聞いた僕は論理的に反論して完全論破できると思った。脳が破壊されて修復不可能な状態にあるフェミニストが放った屁のような理屈だ。僕の考え方のほうが理性的でまともだってことくらい論戦をしなくてもみんな解ってる。それくらい当たり前の話で、誰もフェミニストの言葉に価値など見出さないだろう。  でも僕の入れられていた檻は“何か”が歪んでいた。自然の摂理に逆らう人間の悍ましさに支配された檻だったのだ。真夏のホラーと言っていい。僕はどうやってそこから抜け出したのだろう…? どうやって生きてきたのだろう?
檻 -ガールスカウトの実態-

檻 -ガールスカウトの実態-(8.7)試し読み

「ぅぅう…」 「ほらいっぱい出しな? スッキリスッキリ」  おしっこはジョボジョボと落ちるだけだが、閉じていた皮がおしっこの勢いで少し剥けたようだ。開けた隙間から小さなアーチを描いて大きな笹舟の先端部分にびちょと当たって船の中に流れていく。  じょぉ〜ぼぼぼ…  僕のおしっこの音だけが辺りに響いた。女子たちにこんな姿を見られて死にたくなるくらい恥ずかしい…。本当に心の底から情けない姿だ。
檻 -ガールスカウトの実態-

檻 -ガールスカウトの実態-(8.6)試し読み

「よし、ケンタ。構わないからシーシーしちゃいな? 溜まってるだろ?」 「ぇぇ… と…」  実のところ水遊びを始めた昼間っからずっとおしっこに行っていない。だからと言ってみんなの前で用を足すなんてできっこない。どこまで僕をS1とかS3の男児たちと同じ風に見るつもりなんだ? ましてや同じクラスの同級生の女子だって見ているんだ。バカにするのもいい加減にして欲しい。
檻 -ガールスカウトの実態-

檻 -ガールスカウトの実態-(8.5)試し読み

「なんだよっ、こいつ。やっぱ食べたいんじゃん」 「勃起してても食欲もあるんだぁ? クスクス」 「それでも罰なんだからごはんは駄目」  最後にリンちゃんが餌やりを反対した。やっぱりごはんの言い方が犬にエサをやるときのニュアンスなんだよな…。 「うん、そだね。バレたら怒られるね。やっぱやめとこ」 「そうだよぉ。リンちゃんの言う通り、あんなことをしたんだからぁ、罰として当然晩ごはんは抜きでしょぉ」
檻 -ガールスカウトの実態-

檻 -ガールスカウトの実態-(8.4)試し読み

 涙が出そうだった。でも絶対に泣くもんか。か弱い女子じゃないんだから。泣いて許してもらえるなんて女子のやることだからな。男は泣かないんだ。女子の前で涙を見せるなんて男じゃないし。こんな苦境に陥っても僕は泣かずに絶えきってみせるぞ…。  風も吹いていないのに、自然にぎし… ぎし… と回転を始めて僕はキャンプ場に背を向ける恰好になっていた。  身体が動かせないからか、血がうっ血してくるようだった。何時間もこのままだったらエコノミー症候群なってしまう…。
檻 -ガールスカウトの実態-

檻 -ガールスカウトの実態-(8.3)試し読み

「それじゃあここまで完成したら、この縄の先を、あの太い枝に引っ掛けるの。先っちょに重しをつけてね」  石を括り付けた縄の先っちょをブンッと投げて、枝の上を通過して落ちてきた。それを何度か繰り返し、ブランコのような形状にする。2本の縄で僕の体重を吊るらしい。それから補強のために補助用の縄も別の枝に引っ掛けた。 「じゃあ、三人で力を合わせて持ち上げるよ?」
檻 -ガールスカウトの実態-

檻 -ガールスカウトの実態-(8.2)試し読み

「わっかりましたー。任せてください。それじゃ、こういうことは年長の子に教えたほうがいいから… タオちゃん、カノちゃん。二人は一緒に来てくれる?」 「あ、はいっ」 「ハーイ」  中学生コンビの二人は怖がることもなく、元気に付いてきた。
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